すき焼き

関西旅行のつづき。
高桐院と永観堂の紅葉を見た後、三条寺町まで歩いて、三嶋亭まですき焼きを食べに行った。
三嶋亭
関東と関西ですき焼きの作り方が違うということは聞いていたけれど、関西風のすき焼きを食べたことがなかったから、いちど食べてみたかった。
三嶋亭は、古い町家で、玄関には下足番がいる。中心が電気コンロになっている座卓がひとつおかれた和室に通された。
仲居さんがどんな風にすき焼きをつくるのかじっくりと観察した。コンロに鍋をかけ、そこに砂糖をふりかけた。鍋が十分あたたまったところで牛肉を焼き始めた。牛肉が焼けたところに割り下を少しかけ、表裏をひっくり返して、まずは最初の牛肉ができあがりである。卵につけて食べる。
関東風のすき焼きは、「焼く」というより「煮る」というイメージだが、関西風ではまさにすき「焼き」である。
次に、青ねぎ、たまねぎ、焼どうふ、糸こんにゃく、お麩を入れ、砂糖と割り下を少し入れる。たまねぎを入れるところが関東風と違うけれど、食べてみると違和感はない。このあとも、肉と野菜を焼き、砂糖と割り下を少しずつ入れて行く。
関東風のすき焼きの方が割り下の味がしっかりつくように思う。それに慣れている私には、関西風のすき焼きは少々あっさりしていると感じた。しかし、肉そのものがおいしかったから、おいしく食べることができた。関西風の料理は、万事味付けがあっさりしていて繊細である。