椿三十郎

ずいぶん久しぶりにウェブログを書く。
Twitterのアカウントはしばらく前に取ったのだけれども、そのおもしろさが今ひとつわからずに放置してあった。稲本のウェブログTwitterのことが書いてある(id:yinamoto:20100208)のを読んで、稲本の近況を覗いてみるかと思い、久しぶりにTwitterのページを開けたら、彼が京都に引っ越すというつぶやきを見つけて驚いた。ウェブログもそうだけれど、見ているだけでは面白さがわからないから、自分でもつぶやいてみることにした。さっそくダイレクトメッセージをくれた人がいた。やっぱり反応があるとうれしい。つぶやくのがちょっと楽しくなってきた。ユーザー名は@yagianです。よかったらフォローをお願いします。
最近、文章を書こうという意欲がさっぱり湧かなかったのでこのウェブログも放置していたのだけれども、Twitterでつぶやきはじめたら脳の中の文章を書く回路が繋がったのか、ウェブログを書きたくなった。
去年の夏頃からクリント・イーストウッドの映画を系統的に見るために、TSUTAYA DISCASに入会してDVDを借りていた。クリント・イーストウッドの映画はだいたい見終わったのだけれども、映画を見る習慣は続いている。クリント・イーストウッドのマカロニ・ウェスタンデビュー作の「荒野の用心棒」と比較しようと思い、黒澤明の「用心棒」を借りた。「用心棒」を見て、同じ主人公が出てくるシリーズ作の「椿三十郎」も見たくなった。どうせなら森田芳光のリメイク版と比較しようと思い、新旧「椿三十郎」を借りてみた。
黒澤明の映画の中では、「用心棒」と「椿三十郎」の二作がいちばん好きである。クリント・イーストウッドのハリー・キャラハンのように、三船敏郎の三十郎はこれ以上ないはまり役だと思う。仲代達矢の敵役もいい。よくできた脚本とこのふたりの演技を見ているだけで、満足してしまう。
森田芳光のリメイク版は、想像以上に黒澤版に忠実に作られていた。せりふにはまったく手を入れてなかったし、セットもほとんど忠実に再現されていた。織田裕二の三十郎はかなりがんばっていたと思う。ストーリーの順番に撮影したのだろうか、最初はやや固かったけれど、最後の方はかなりこなれた三十郎になっていた。しかし、三船敏郎の三十郎と続けてみてしまうと、迫力の差は歴然としている。三船の三十郎は、汚くて、ワイルドで、胴間声が魅力的だ。
そのことは森田芳光織田裕二もわかっていたのだと思う。三船の三十郎は超人的だが、織田の三十郎はより人間らしく演じている。例えば、立ち会いのシーンで、三船の三十郎は息も切らさずに何十人も切るが、織田の三十郎は汗もかき、息も切れる。しかし、織田の三十郎は浪人にしてはきれいすぎた。特に、歯が白いことが気になった。NHK大河ドラマ龍馬伝香川照之が演じている岩崎弥太郎が汚いことに感心している。歯も汚くしている。三十郎も食い詰めた浪人だから、岩崎弥太郎のように着物も歯も汚くなければそれらしくない。
リメイク版の「椿三十郎」で、森田芳光織田裕二はできる限りのことはしていると思う。それなりに面白い映画に仕上がっていると思う。黒澤版「椿三十郎」に挑戦することが蛮勇だということもわかってやっているのだと思う。しかし、残念ながら、黒澤版「椿三十郎」を乗り越えるまでには至っていない。

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