オシャレさん

いちばん調子が悪かった頃にいた部署の派遣さんとエレベーターで一緒になった。
その彼女に「髪型とメガネが変わり、ヒゲもはやして雰囲気がずいぶん変わって、なんだか、オシャレさんになっちゃいましたね」と言われた。
うつ病で調子が悪いと、身なりに気を使う余裕がなくなる。
「髪を切りに行く」ということが大仕事に感じられて、家から出る時点でつまずいてしまい、髪も伸ばしっぱなしになっていた。もちろん、ヒゲの手入れなどをする余裕もないし、メガネを変えようと思いつくこともない。
あの頃は、そういった身なりを整える余裕がなかったことが再認識されたし、それに気を使うことができる今はずいぶん回復したのだと思ってうれしかった。
いや、もちろん、オシャレさんと言われたことも純粋にうれしかったけれど。