ペストパーキンママ

昨日、登川誠仁のCD「ハウリング・ウルフ」を聴きながら、会社に行った。
誠小こと登川誠仁は、島唄の代表的な歌い手の一人である。彼の歌声はじつに渋くソウルフルでグルーブしている。彼は島唄の名人だけれども、偉ぶっているところがない。
ハウリング・ウルフ」のなかで、誠小は「ペストパーキンママ」という歌を歌っている。
戦後、アメリカ軍は27年間沖縄を占領していた。誠小は子供の頃に、沖縄に駐屯していたアメリカ兵士のハウスボーイをしていた。
その頃、彼はよくアメリカの音楽を聴いていた。英語はしゃべれなかったけれど、耳を通してたくさんの歌を覚えた。歌詞の意味はまったく分からなかったけれど、覚えた歌を三線を弾きながら歌っていた。
「ペストパーキンママ」はそんな歌のうちの一曲である。彼は、インチキな英語で、実に楽しそうにこの歌を歌っている。
もちろん、これはいわゆるコミックソングで、この歌を聴くと思わず笑ってしまう。しかし、同時に、第二次世界大戦とアメリカ軍による占領による沖縄の人たちの苦労を考えると、深く心が揺さぶられる。彼らは苦しい時を過ごしてきたけれど、ユーモアを忘れないだけの強さを持っていた。
「ペストパーキンママ」誠小とテルリン

「ペストパーキンママ」の原曲、“Pistol Packin' Mamma”ビング・クロスビーとアンドリュー姉妹

ハウリング・ウルフ

ハウリング・ウルフ