結局「ロリ」か「ヨサコイ」

地上波のテレビがあまりにつまらないので、最近はもっぱらNHK-BSで海外のニュース、ドキュメンタリー、スポーツ、ネイチャー番組を見ている。しかし、NHK-BSでも見るべき番組を放送してないときもある。そんな訳で、スカパー!HDと契約することにした。昨日、パラボラアンテナを設置してもらい、試聴期間中、ザッピングをしている。
昨日、MTVを見ていたら、J-WaveTOKIO HOT 100と連携した番組をやっていた。洋楽と邦楽のPVが混ざって放送されていて、はからずも洋楽と邦楽を比較することになった。
洋楽の女性ミュージシャンの上位の曲はこんな感じ。



大人っぽいなと思う。
日本のポップミュージックのことを考えるとなんというか、途方に暮れる。テレビに出ようと思わないミュージシャンは自由に音楽をやっているのだろうけれど、テレビに出るためにはさぞや規制が多いのだろうと思う。
今年は震災があったから「応援ソング」が多いのは理解できるけれど、ヒットチャートに出てテレビで放送されるような曲は、ネガティブでダークな気持ちを歌うことがない。
AKB48だって「がんばってます」ばかりではないと思うけれど、結局未成熟な少女が「がんばってます」パフォーマンスをするばかり。国際的な観点から日本の女性のポップミュージックを見てみると、結局「ロリ」しか売り物がないように思える。
一方、男性ミュージシャンでは、Exileが三位に入っていた。

今年の成人式のニュースを見ていたら、これもやはり震災の影響か「荒れる成人式」のニュースがなく、成人として前向きの決意表明する映像が流されていた(http://goo.gl/O0bJh)。それを見ていると、白い羽織袴を着た男子が目について、これっていつ頃からのはやりなのだろかと不思議に思った。成人式での白い羽織袴は、沖縄での「荒れる成人式」で、国際通りで練り歩く「不良」たちが着ているのをニュースで見たのがはじめてだったように思う。
おおげさな言い方をすると、日本に確固として存在するが、私にはなんの関係もない文化潮流が存在している。Exileや白い羽織袴を見ているとそのことを強く感じる。
"Rusing Sun"のPVの後半は、群衆による群舞になる。踊り手たちは、着物を模しているけれども、激しい踊りができるように改良された、私は知らないけれど何か名前があるのかもしれない、衣装を着ている。「よさこい祭り」の踊り手も同じ衣装を着ている。長年Exileとはなんなのだろうかと不思議思っていたけれd、それを見て、Exileは「ヨサコイ」なんだとようやく腑に落ちた。
私の頭の中で、「ヨサコイ」「白い羽織袴」「ヤンキー」「Exile」が結びついた。最近の「和太鼓」や「津軽三味線」も同じ流れに乗っているように思う。私は個人的には「ヨサコイ」と呼んでいるが、「オタク」や「ロリ」と並んで日本のポップカルチャーの二大潮流になっている。「オタク」に関する評論は多いけれど、「ヨサコイ」はあまり語られることはない。その歴史、伝播について誰か本格的な評論を書いてくれないかと思う。
「ヨサコイ」は、完全に「作られた伝統」ではあるけれど、「和」のスパイスが振りかけられているのが特徴である。天皇即位20周年の儀式の時、Exileが踊りを奉納していた。現代の「和」を代表しているという意味で、奉納するにふさわしいものだったものだったのだろう。
しかし、「ロリ」にも「ヨサコイ」にもさっぱり乗れない自分は、日本のポップカルチャーの王道からはすっかり外れてしまっているなと思う。ま、別にそれはそれでいいんだけど。