ベン・フォールズを全部聴く
今年に入っていから、Google Play Musicで特定のミュージシャンの音源を「全部聴く」ということをしている。
これまで、ビートルズとメンバーのソロ活動、トーキング・ヘッズとデイヴィッド・バーンとトム・トム・クラブ、プリンス、そして今、ベン・フォールズとベン・フォールズ・ファイブを全部聴き終わったところだ。
好きな楽曲、ミュージシャンはたくさんあるけれど、改めて「全部聴く」ことで、私自身が今いちばん共感できるミュージシャンはベン・フォールズなんだ、ということを再確認した。
シンプルなセットで演奏力が高いバンドが好きだ。ベン・フォールズはギター抜きピアノ、ベース、ドラムのトリオで最高に「ロック」している音楽を聴かせてくれる。
特に、ベン・フォールズがソロ時代のライブツアー「ベン・フォールズ・ライブ」では、サポート・メンバーなしで、ベン・フォールズひとり、ピアノ一台で演奏している。これは最高にロックしている。
同級生のロック・ミュージシャン:カート・コバーンとベン・フォールズ
ベン・フォールズに共感するのは、音楽が気に入っているからだけではなく、彼の人生や歌詞に自分を重ね合わせることができるからだ。
ベン・フォールズは1966年9月生まれで、私と日本の学年でいうと同級生にあたる。彼が同世代ということで共感できるところがあるのだろう。しかし、カート・コバーンも1967年2月生まれで同級生なのだが、あまり共感できない。
カート・コバーンは自分が「ロックスター」になることに強く抵抗していたけれど、それと裏腹に「ロックスター」のステレオタイプをなぞるような人生を歩み、若くして自殺してしまった。そういう彼の苦しみは理解できないわけではないけれど、深く共感するかといえば、やはりそうではない。
カート・コバーンが自殺するのが1994年。一方、ベン・フォールズは世にでるまで時間がかかり、ベン・フォールズ・ファイブのデビュー・アルバムが出せるようになったのはカート・コバーンの死後の1995年だった。
ベン・フォールズの音楽は個性的ですばらしいと思うけれど、外見も含めて「ロックスター」としての魅力に欠ける。ややあがった額をぼさぼさに伸ばした髪で隠し、メガネをかけている。Tシャツやネルシャツとジーンズを無造作に着たファッションはグランジといえなくもないけれど、彼はギークにしか見えない。
カート・コバーンと比べ、彼は伝説的な死を遂げることはなく、デビューしてから今まで紆余曲折しながら音楽活動を続けている。若いころは自分の非「ロックスター」性を自虐したような曲も多かったけれど、歳を経て歌詞も曲調も変化してきている。
彼がアルバムを出すたびに聴き、また、日本に来日するたびにライブに足を運び、彼もいろいろあるけれどがんばっているんだよな、と思う。これまでも彼と伴走してきたような気持ちがあり、おそらく、これからもそのようにして彼の音楽を聴き続けるのだろうと思う。
平凡さを「ロック」する:"Rockin' the Suburbs" 「住宅街をロックする!」
ベン・フォールズは、ベン・フォーズル・ファイブ(「ファイブ」といいながらトリオのバンド)でデビューし、このバンドが活動停止をしている時期にソロ活動をしている。
ソロとしての第一作のアルバム"Rockin' the Suburbs"の表題作の歌詞を紹介したいと思う。平凡さを「ロック」した、彼の非「ロックスター」性についての歌だ。
Ben Folds - Myspace Gig - Rockin' the Suburbs
"Rockin' The Suburbs"
「住宅街をロックしてやる」
Let me tell y'all what it's like
教えてやるよ
Being male, middle-class and white
中流の白人男性ってどんなものか
It's a b*tch, if you don't believe
最悪だぜ、信じないかもしれないけど
Listen up to my new CD (Sha-mon)
オレのニューアルバムを聴いてくれ(Sha mon)
I got sh*t runnin' throught my brain
どうでもいいことが頭を駆けめぐり
It's so intense that I can't explain all alone in my white-boy pain
オレの白人の痛みを自分ひとりで説明なんかできない
Shake your booty while the band complains
バンドが文句を言っている間に、お前らはケツを振れ
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
Just like Michael Jackson did
マイケル・ジャクソンみたいにな
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
Except that he was talented
ヤツには才能があったけど
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
I take the cheques and face the facts
オレは金を受け取って
That some producer with computers fixes all my sh*tty tracks
プロデューサーがコンピューターでオレの曲をいじりまわす
I'm p*ssed off but I'm too polite
ムカついたけど、お行儀よくしてた
When people break in the McDonald's line
マクドナルドの行列に割り込まれて
Mom and Dad you made me so uptight
ママとパパのしつけのせいで
I'm gonna cuss on the mic tonight
今夜はマイクで叫んでやる
I don't know how much I can take
どれだけやれるか自分でもわからない
Girl, give me something I can break
そこの娘、オレにぶっこわすものを渡してくれ
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
Just like Quiet Riot did
クワイエット・ライオットみたいに
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
Except that they were talented
ヤツらには才能があったけど
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
I take the cheques and face the facts
オレは金を受け取って
That some producer with computers fixes all my sh*tty tracks
プロデューサーがコンピューターでオレの曲をいじりまわす
In a haze these days
最近ぼんやりしながら
I pull up to the stop light
ステージに上ってる
I can feel that something's not right
なにかまずい感じ
I can feel that someone's blasting me with hate
誰かがオレに憎しみを爆発させてるみたいだ
And bass
ベースが
Sendin' dirty vibes my way
オレにへんなノリを送ってくる
'Cause my great great great great Grandad
オレのひいひいひいじいさんが
Made someones' great great great great Grandaddies slaves
誰かのひいひいひいじいさんを奴隷にしたからって
It wasn't my idea
オレには関係ない
It wasn't my idea
オレには関係ない
Never was my idea
ぜんぜん関係ない
I just drove to the store
オレは薬局まで
For some Preparation-H
痔の薬を買いに行っただけなんだ
Let me tell y'all what it's like
教えてやるよ
Being male, middle-class and white
中流の白人男性ってどんなものか
It gets me real p*ssed off, it makes me wanna say
マジでうんざりするぜ、
F*CK!
ファック!
Just like Jon Bon Jovi did
ボン・ジョビみたいに
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
Except that they were talented
ヤツらには才能があったけど
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
I take the cheques and face the facts
オレは金を受け取って
That some producer with computers fixes all my sh*tty tracks
プロデューサーがコンピューターでオレの曲をいじりまわす
These days
最近
Yeah yeah
イェィ、イェィ
I'm rockin' the suburbs
住宅街をロックしてやる
You'd better look out, because I'm gonna say 'F*ck'
よく見てろ、ファックって言ってやる!