クラフトビールと一期一会

アメリカのビールはカヌーに似ている

以前のエントリーで紹介したPodcast "How I Built This"で、今度はクラフトビール企業の草分け、サミュエル・アダムスのオーナーのインタビューが放送されており、なかなか興味深かった。

今ではアメリカのクラフトビール文化はしっかり根付いているけれど、昔はアメリカのビールがおいしいという人はいなかった。このPodcastの中で、モンティ・パイソンジョークが紹介されていた。

「アメリカのビールはカヌーに似ている。だって、水に近いもの。」

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 クラフトビールロゼワインとの一期一会

この夏休みにポートランド旅行をして、地元のクラフトビールをたっぷり飲んだ。とてもおいしかった。旅行前、アメリカのクラフトビールを求めて、東京でクラフトビールを出すお店を巡ったり、酒屋でいろいろ探したりしていた。しかし、逆に、ポートランドで満足したせいか、クラフトビール熱は少々覚めた感じもする。

以前も似たようなことがあった。プロバンス地方に旅行した時、夕方、野外に置かれたテーブルで飲むロゼワインがとてもおいしかった。日本ではロゼワインはほとんど飲んでいなかったけれど、感激するぐらいのおいしさだった。けれども、帰国してから同じロゼワインを飲んでも、あのプロバンスでの一杯のようなおいしさはない。

お酒のおいしさには、いろいろな構成要素があるのだろう。ビールやワインのようなお酒は、品質が安定しないから、輸送や保存のコンディションで味が変わる。そして、気候と料理、旅での高揚感なども大きな影響がある。

結局、アメリカのクラフトビール、南仏のロゼワインがおいしいということではなく、あのポートランドのマイクロブリュワリーが直営しているお店で夏の夕方に飲んだあの一杯のビールがおいしかったのであり、あのプロバンスの空気のなかで飲んだあの一杯のロゼワインがおいしかったのであり、それを東京で再現することはできない、とういことだ。 

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世界のビールのなかに置いてみるとバドワイザーも日本のビールもけっこういける

もっぱら日本のビールを飲んでいた時は、ビールって単調だなと思っていた。しかし、アメリカのクラフトビールをはじめとして、世界のビールをいろいろ飲んでみると、日本のビールは、それはそれとして、個性があるんだなとわかってきた。日本のビールだけを飲んでいるのは飽きるけれど、たまに世界のビールの一種として、例えば、シンハビールと横並びで、日本のビールを飲むとけっこういけると思う。

同じように、クラフトビールとならべてバドワイザーを飲むと、これはこれで個性があって、意外といけると思う。昼間、ハンバーガーを食べながら飲むんだったら、バドワイザーも悪くないと思う。

前にも書いたけれど、ビールは品質が安定していない。近所に、ふつうの一番搾りの生ビールがやけにおいしいお店がある。ビアサーバーの管理がよくて、注ぎ方も上手なのだろうか。そういうところで寿司と一番搾りの生ビールを飲むのもおいしい。