Spotifyに乗り換えた話

音楽を持ち歩く歴史

はじめて携帯できる音楽プレーヤーに触ったのは中学生の頃だったろうか、新しもの好きのいとこにSonnyのカセットテーププレイヤー版のWalkmanを見せてもらった時だったような気がする。それ以前はヘッドフォンで音楽を聴くという体験自体もほとんどなかったと思う。華奢なヘッドフォンで耳元で鳴る音楽が印象的だった。

それからしばらくしてポータブルカセットテーププレイヤーを買った。Sonnyのものではなく、AIWA製だったように記憶している。貸しレコード屋で借りてきたLPをカセットテープにダビングをして音楽を聴いていた。

その後、何台かポータブルカセットテーププレイヤーを買い替え、ポータブルCDプレイヤー、ポータブルMDプレイヤーに移行した。しかし、MDプレイヤーの時代は短かった。

音楽への愛とiPod classic

そのうちMP3プレイヤーが出てきて、物理的な可動部分がないため圧倒的に小さくなったことや、CDをデータ化すると勝手に曲名も判別することなどに感動した。

iPodを買う前、CDのデータ化のためにiTunesを使い始めたのが、Apple製品との出会いだった。以前に買ったMP3プレイヤーのおまけについていたソフトウェアより、使いやすさもデザインのかっこよさも圧倒的だった。結局、iTunesは、自分の音源の管理に現在まで使い続けている。

iTunesで音源をAppleに囲い込まれたこともあって、iPod classic(当時は単にiPodと呼ばれていたと記憶している)を買った。これは、私が音楽を持ち運ぶために買ったデバイスのなかでいちばん気に入っている製品だ。

なんといっても、自分の持っている音源のすべてを持ち歩けるようになったのがすばらしい。それまでは、家を出る前に、今日はどの音楽を持っていこうかといちいち選ばなければならなかったが、そんな不便はなくなり、その時の気分で好きな曲を聴ける。この便利さはすばらしかった。

iTunesの使いやすさとも相まって、iPod classicは音楽が好きな人が、音楽の好きな人のために作っている製品という印象がある。今ではバッテリーが弱っているので使うことはないけれど、大切に保管してある。

ストリーミングサービスでGoogle Play Musicを選んだ理由

 iPod classicはすばらしかったし、思い入れがあった。しかし、ストリーミングサービスは、圧倒的に広い範囲の音楽をいつでも聴くことができる。いままで音楽にかけてきた金額を考えれば、月額料金を払っても十分その価値があると思った。

日本に大手のストリーミングサービスが上陸したとき、洋楽好きの私にとっての選択肢は、Apple MusicとGoogle Play Musicの二択だった。iTunesiPhoneを使っているのでApple Musicに行くのが自然だったのだが、このままAppleのエコシステムに拘束されるのもいやだったのでGoogle Play Musicを選んだ。

Google Play Musicも自分の音源はアップロードできるし、収録されている曲もほぼおなじ規模だったから、Google Play Musicに不満は感じなかった。そして、聴く音楽の範囲は確実に広がった。例えば、ビートルズがストリーミングサービスに公開された時、ビートルズとメンバーのソロアルバムを全部聴く、ということをした。これは、ストリーミングサービスでなければめんどう過ぎてしなかったと思う。

さようならGoogle Play Music、これからはSpotifyと暮らします

 先日、Beckのライブに行ってきた。

yagian.hatenablog.com

BeckFacebookから、Spotifyにライブのセットリストのプレイリストが作られているという投稿が流れてきた。それで、Spotifyを試してみたところ、Google Play Musicから乗り換えることにした。

まず、プレイリストがおもしろい。そして、デザインがかっこいい。音楽を聴こうという気持ちをそそる要素がある。iPod classicと同じように、音楽好きの人が音楽好きの人のために作っているサービスという印象がある。

Spotifyと比べると、Google Play Musicは、デザインがなんとももっさりとしている。AIが作っていると覚しいプレイリストもおもしろさに欠ける。IT技術は優れているのかもしれないけれど、本気で音楽を楽しんでいる人が作っている感じがしないサービスだった。

さようならGoogle Play Music、これからはSpotifyと暮らします