毒素と解毒

ニュースを見た流れでNHK「プロフェッショナル仕事の流儀」を見始めて、思わず引きこまれて最後まで見てしまった。佐藤卓というデザイナーという人が取り上げられていた。
「プロフェッショナル」に限られず、ひとかどの人物を取り上げたものを見ると、みな元気で、窮地というか、ぎりぎり追い込んだ場面になっても上機嫌なのが共通していると思う。
仕事をしていると、よくない意味で疲弊させる毒素を振りまく人物、毒素に侵された組織というものがある。私自身も、そういった毒素に侵された組織の瘴気にあてられて疲弊しきってしまったことがあるのでよくわかる。
ひとかどの人物は、そういった毒素を解毒する力があるように思う。後ろ向きだったり、小さな意味での利害や立場を守ったり、組織の論理や因習にしがみついて毒素を振りまく人物、組織の壁を打ち破る力がある。
そのためには、元気さ、上機嫌さとそれに加えて、志の高さがあるように思う。毒素の元は、志の低い動機での発言や行動である。そういったものに付き合うのは実に疲弊する。元気、上機嫌の力で、その場の人たちの気持ちをより高い志に向けること、それで、その毒素が解毒されるのだと思う。
佐藤卓は、面白くない仕事というのはないと語っていた。仕事をつまらなくする人がいるけれど、どんな仕事でも面白くすることができるという。おそらく、面白く仕事をするということと、志を高く持って元気、上機嫌に仕事をするということは重なるのだろうと思う。
解毒する存在になることは難しいけれど、少なくとも毒素を振りまくような人物にはならないようにしようと思う。