Noteを始めました

Noteを始めました。

定年まで1年を切り、シニア再雇用という人生の転機が近づいています。過去の節目を振り返りながら、仕事や生活を見直し、その先の人生への準備を進めているところです。
その過程を言葉にして残し、自分を客観視するために。そして、同じような転機にいる誰かと共有するために、これから記録を続けていきたいと思っています。

はじめに

これまで長いあいだ、ブログを書いてきた。

ブログという言葉やサービスが生まれる前から、HTMLを書いてウェブサイトを立ち上げ、インターネット上に日記のような雑文を載せていた。ブログサービスが始まってからは、主に「はてなブログ」で、仕事の愚痴や読んだ本、映画の感想などを書いていた。外国語の学習のために、ランゲージエクスチェンジのサービスに日記を書いていた時期もある。

しかし最近は、ブログを書くことがほとんどなくなり、半年に一度くらい、目標とその振り返りを書く程度になっていた。
理由はいくつかある。インターネットではまとまった文章が読まれにくくなり、ブログという形式自体の勢いも弱くなった。「はてなブログ」というプラットフォームの熱量も、今では見る影もない。

自分自身の変化も大きい。業務が変わり、仕事でまとまった文章を書く機会が減った。プライベートでも、知的な活動よりフィジカルなことに時間を使うようになった。その結果、ブログというアウトプットだけでなく、読書というインプットも減っている。そもそもブログを書くことは義務ではない。以前は「書かずにいられない」という気持ちがあったが、それが薄れてきたのだと思う。

2027年1月に満60歳になる。

勤めている会社は60歳で定年となり、いったん退職する。その後は、希望すればシニアとして再雇用される予定で、自分もそれを考えている。2026年5月には、出向していた組織から本社へ帰任した。帰任後に担当する業務は、おそらく再雇用後も続く見込みだ。

出向前も出向中も、典型的な中間管理職として働いてきたが、今回の新しい業務ではプレイヤーに戻る。今の会社は比較的自由度が高く、成果を出せば柔軟に働ける。ただ、中間管理職の立場では、人間関係の調整など思い通りにならないことも多かった。また、出向先は伝統的な大企業の文化が強く、働き方の自由は限られていた。新しい役割は待遇こそ下がるものの、自由を得られるという意味で、解放された感覚がある。

周囲を見ていると、60代という時間はとても貴重だと感じる。

ある程度の健康と気力があり、仕事の責任は軽くなり、自由な時間も増えることが多い。70代になると、さらに時間の自由は広がるが、たとえ健康を保てたとしても、心身の衰えは避けられない。だからこそ、60代を充実した、満足のいく時間にしたいと思っている。

ここ数年、定年という転機を意識しながら、60代の仕事や生活に向けて少しずつ準備を進めてきた。その中で、考えたり感じたりすることも増えている。
最近はブログを書く習慣が途切れていたが、文章を書くことは、自分の考えを整理し、客観的に見るために有効な手段だとあらためて感じている。

そこで、この人生の転機を前に、いま考えていることや試行錯誤していることを言葉にしていきたい。それによって自分自身を客観視できるはずだし、同じような転機を迎えている人にとっても、何かの参考になればうれしい。

定年まで1年を切り、シニア再雇用という人生の転機が近づいている。過去の人生の節目を振り返りつつ、仕事と生活を見直し、その先の人生への準備をしている。自分を客観視するため、同じ境遇にある誰かと共有するため記録していきたい。

2025年の振り返りと2026年の抱負

もう最近では,この「はてなブログ」には年末の振り返りと来年への抱負しか書いていない。そもそも「はてなブログ」に文章を書いている人は何人いるのだろうか。そろそろNoteに移行した方が良いかもと思いつつ、過去の資産や多少の愛着もあるので、今回の振り返りと抱負は「はてなブログ」に書こうと思う。

定年も近づき、体調の変化もあり、職業と生活が大きく変化する時期に差し掛かっている。今回、そしてこれからの数年の振り返りと抱負は、新しい生活を見据えたものになっていくのだろう。

1.仕事

(1) 2025年の振り返り

去年の振り返りと抱負を読み返すと、出向している職場の組織文化、職務環境、仕事の進め方に大きな違いがあり、異文化体験していて、その異文化に適応できていないが、そろそろ適応しつつ、職場の改善を進めていきたいということが書いてあった。

具体的な話はまだ書けないが、2025年を通じて、結局のところ異文化体験段階にとどまり、適応障害状態が継続した。仕事は空回りすることが多く、パフォーマンスも発揮できず、バリューも出すことができず、また、自分自身にとってきつく辛いことが多かった。

以前であれば、このような状況を一人で抱え込み、どんどん心身の不調が悪化していったと思う。今回は、このような状態を関係者に客観的に伝えることができた。具体的なことは書けないけれど、状態を伝えたことで、現在の体制について根本的なことから再検討が進み、一定の方向性が示されることになった。自分はきっかけを作っただけで、動いたのは関係者だったけれど、そのきっかけを作ったこと自体は意味のあったことだったと思っている(抽象的な書き方で申し訳ない)。

また、自分自身のパフォーマンスは低いし、バリューも出していないけれど、自分がこの職場に出向してきたときの状況と現在の状況を比較すれば、かなり変化しているところもあり、客観的にみてもその多くはいい方向への変化だと思う。自分自身が動いて達成したことはあまりないが、触媒的な機能は果たせたところもあるかもしれない。

(2) 2026年の抱負

これも具体的なことは書けないが(こればかり書いている)、現在の業務は2026年の前半に一段落つきそうである。2026年の第一の抱負は、現在の業務をきちんと収束させることである。

2027年1月に60歳となり、それ以降65歳まではいわゆる「シニア再雇用」となる見込みなので、おそらく新しく担当するものが「シニア再雇用」時代の業務となる可能性が高い。現在は、まだその業務が何になるかわからないが、新しい業務が始まった時には、中期的な方向性をしっかり考えていきたい。

2.生活

(1) ファミリー

①2025年の振り返り

今年1月で58歳になり、再来年の1月に60歳になる。自分にも両親にもいろいろな意味で生活の変化が起き始め、そして、これからしばらくは変化が続く時期に入ったという実感がある。

今年は自宅の断捨離を進めた。半分物置になっている部屋があったが、本、衣服、さまざまな雑物を思い切り廃棄した。管理できていないものを捨て、管理できる範囲のものだけを残した結果、活用できる空間が広がっただけではなく、生活自体がシンプルに効率的になった。

また、生活を改善したものとして、生成AIにレシピを聞くことで、以前に買ったホットクッカーと今年買ったノンフライヤーを画期的に有効活用できるようになった。ホットクッカーやノンフライヤーは材料の準備をしてセットしさえすれば、あとは器具が調理してくれるので、出来上がりまでは放置することができる。コンロで料理をしていると、完全に目を離すわけにはいかないので、そこが大きな違いになる。冷蔵庫に入っているものを生成AIに入力すれば、レシピを教えてくれる。これまで作ったことのないレシピも多く、料理の幅も広がった。シニアになると料理をする機会も増えることになりそうなので、これからもどんどん活用していきたい。

②2026年の抱負

「シニア再雇用」とその後の生活について考え始めている。再来年1月の定年後に、その後の生活を見据えて今住んでいるマンションのリノベーションをしようと考えている。来年はその構想を練っていきたい。

また、新しい担当業務が決まり、その状況が見えれば、「シニア再雇用」の職業生活の状況が見えてくるはずだ。生活のリズムも考えていきたい。

先日、定年が見えてきている年代の社員を対象とした「プレシニア研修」に参加してきた。そこで、自分の退職金の概算額ととしての収入の目安が示された。公的年金の金額の目安もわかるので、「シニア再雇用」後の生活設計も徐々に考え始めていきたいし、また、そのための準備として「シニア再雇用」時代に何をすべきか考えていきたい。

(2)フィジカル

①2025年の振り返り

a. 体調

去年の振り返りを読むと新型コロナに罹患したことが書かれていた。今年は、感染症には罹患せず、フィジカルなコンディションは概ねキープできていた。インフルエンザの予防接種は欠かさず受けている。また、区役所から帯状疱疹の予防接種の補助の案内があったので、受けてきた。接種翌日には熱が出たが、10年間の効果があるとのことなので、良かったと思う。

一方、メンタルなコンディションは安定せず、最低限の活動しかできない時期もあった。「1.仕事」でも書いたように、関係者に相談することで対策も取られ、最悪の状況に陥ることはなかった。メンタルなコンディションに関わる社会関係をある程度はマネージすることができたと言えるだろう。

b.ランニング

12月はランニングのシーズンの途中なので、なかなか振り返りは書きにくい。1月に荒川河川敷のハーフマラソン1時間53分と自己ベストが出せた。フルマラソンへの準備として走った30kmの青梅マラソンは2時間54分とキロ6分のペースを切ることができたが、最後の2キロは脚が動かなくなり、フルマラソンに向けた課題が残った。3月の練馬こぶしハーフマラソンは1時間55分で走れて、ハーフマラソンは安定して2時間を切ることができた。

次のシーズンに向けて、いつも夏はランニングはシーズンオフにして、スイミングをしていたが、今回は距離を稼ぐためにジムでトレッドミルを走ることにした。とはいえ、トレッドミルを走るのは単調で忍耐が必要だし、効果があるのかわからず不安だった。しかし、10月に外を走り始めた時、いつものシーズンと比べるといいペースで走れたので、効果を確認できた。

前回のシーズンは、Apple WatchNike Run Clubアプリを使い、そのハーフマラソン向けのトレーニングプランで練習をしていた。Apple Watchはバッテリーの持ちに問題があるので、ランニング用ウォッチを買うことにした。最近、Garminは高級路線になり価格が高くなりすぎたので、Corosを試してみた。Corosのアプリもトレーニングプランを提案してくれる機能があるので、そのフルマラソン用プランで練習している。しかし、時間が取れなかったり、疲労が取れなかったりして、メニューを間引いている。

c.ゴルフ

去年の振り返りで年末にスクールを辞めたこと書いているが、今年はこれまでのコーチングを振り返りつつも、自分で整理して、試行錯誤することにした。結局、コーチされたことが自分の感覚として落とし込まれていなければうまくショットはできない。しばらくはそれをする時間が必要だと考えた。

今年前半はメンタルのコンディションが悪かったこともあり、あまり練習ができず、たまに行くラウンドもスコアがまとまらなかった。今年の後半、家の近くにある廉価なシミュレーションゴルフを発見して、そこに入会して練習量を増やした結果、100を切れる確率が高まった。

これまで使っていたクラブは、以前通っていたスクールでフィッティングしてもらったものだが、シャフトが硬めで自分のスィングスピードに合っていなかったので、柔らかめのシャフトのクラブを買った。

d.登山

春は体調が悪く、秋から冬はランニングの練習を優先したので、今年は3回しかハイキングに行けなかった。日の出山からつるつる温泉、奥多摩の渓谷を歩いてからもえぎの湯と低山ハイクと温泉の組み合わせが気持ちよかった。

②2026年の抱負

a. 体調

当たり前のことだけども、新型コロナ流行以来、さまざまな感染症が流行しているので、基本的な生活習慣と必要なワクチン接種はしていく。また、運動を含めた規則正しい生活を継続し、また、オーバートレーニングにならないように休養にも気をつけていく。

メンタルのコンディションを整えるため、マインドフルネスにも取り組んでみようと思う。ランニングは、マインドフルネスのような効果がある気もしているが、それ以外にも、瞑想にも取り組むため、家の近くにある護国寺で公開されている業に参加してみようと

b.ランニング

年明け1月にハーフマラソン、2月にフルマラソン、3月にハーフマラソンに参加する。

フルマラソンは、まずは完走すること、できればキロ6分を下回るペースで走れればと思う。ハーフマラソンは、どちらかのレースで2時間を切ること、調子がよければ1時間53分のパーソナルベストを更新したい。

Corosのアプリが提案するトレーニングプランはフルマラソン向けなので、これまでより距離は増加している。これがフルマラソンハーフマラソンにどのような効果があるか確認したい。

ランニングシーズンが終了した後もジムのトレッドミルを使ってコンディションを維持したい。これまで秋のレースには参加してこなかったが、練習用に参加しようと思う。

最終的には、再来年、60歳になった時にフルマラソンのサブ4を達成したい。かなりハードルが高い目標だが、練習と休養を組み合わせて走力を上げていきたい。

c.ゴルフ

今年の後半、調子が良い時は100を切れることが多くなってきた。年末に買ったより易しいクラブに慣れて、自分なりの戦略に組み込めるようにして、90台前半を目指していきたい。そのためには、一年を通じて練習量とラウンド数を確保したい。

60歳台を通じてゴルフを楽しめる基礎づくりをしていこうと考えている。

d.登山

ランニングとゴルフが中心になるけれども、森の中を歩くのは気分転換になり、マインドフルネスの効果があるように感じているので、今年よりは回数を増やしたいと思う。まずは、大岳山、陣場山から高尾山までの縦走をしようと考えている。

(3)インテレクチュアル

①2025年の振り返り

a.語学

去年は中国語を中心として学習をして、12月にHSK5級に合格した。

今年は英語の発音改善、会話を中心として学習してきた。今年前半は発音にフォーカスしたトレーニングをし、後半には久しぶりにGABAのレッスンに通い始めた。また、SPEAKアプリを使って生成AIとの会話のトレーニングをしている。

発音については、より正確に英語の発音のメカニズム(舌の位置や口の形)は理解できた。以前と比べれば発音は改善した部分もあるが、すべての発音が正確にできるようになったわけではない。TOEIC Speaking Exam.を受験したが、以前とあまり変わらない中級程度の点数だった。これは気長にトレーニングをする必要はあるだろう。

中国語もSuper Chineseという生成AIを使ったアプリで口語中心にトレーニングを継続している。向上はしていないが、現状維持はできていると思う。

b.読書

語学学習を時間を割いていること、老眼が進んでいることもあり、読書量は減少している。政治哲学の古典の読書を再開しようと思っていたが、着手できなかった。

c.IT

PMP更新時期が近づいてきたので、U-demyで研修を受講した。同時に英語のヒアリングの練習をしようと英語の研修を探したら、IT関係だからかインド系の講師のものばかりだった。とはいえ、インド風のアクセントの英語でもなく、聞きやすい講義だった。

d.旅行

夏に高野山、奈良、伊勢を通って名古屋に抜ける旅行をした。高野山はいろいろな意味で印象が深く、宿坊に泊まって業をみたが、これがマインドフルネスへの関心のきっかけになった。

②2026年の抱負

a.語学

後述するが、夏にイギリス、アイルランドへ行く旅行をしようと思っている。そこまでは今のGABAとSPEAKアプリによる英語の会話のトレーニングを続けようと思っている。

それが終わったら中国語に重点を移し、新しいスクールに通うことを考えている。

英語も中国語も成長が実感しにくい中級者の段階で、テストの点数を目標にすることも難しい。自分なりの目標を模索していきたい。

b.読書

夏のアイルランドの旅行はジェイムス・ジョイス、特にユリシーズをテーマとしようと考えている。そこまでは、ジョイスを中心として英文学を読んでいきたい。

旅行後は、これまで着手したくてできていない政治哲学の本を読んでいきたい。

c.IT

以前、U-demyでPythonの講座を途中まで取ったことがあった。今年の後半、再開したい。

d.旅行

今年の夏はロンドンとダブリンへの旅行をしたいと考えている。

ロンドンでは、大英博物館漱石の足跡を、ダブリンではジェイムズ・ジョイスユリシーズ』の足跡をたどりたい。もちろんパブでビールとフィッシュ&チップスも。

2024年の振り返りと2025年の抱負

仕事と生活に分けて2024年の振り返りと2025年の抱負を書いてみたい。

1. 仕事

(1) 2024年の振り返り

2024年2月から新しい職場に出向し、3月から現在の役職についた。

これまでの職場と比べると、組織文化の違いも大きく、執務環境や仕事の進め方にも大きな違いがある。今は、一種の異文化体験をしていると言えるだろう。

もちろん、それぞれの職場のありようはそれぞれの職場の業務や過去からの歴史に依存しているので、どちらが良いとは言えない。新しい環境に入ってそこの組織文化を観察することは、これまで知らなかったことを学習できるし、また、元の職場を客観的に見る機会にもある。

当初は、参与観察をしているような気分で新しい組織を観察することは興味深かったが、もちろん役職を与えられ責任があり主体的に働かなければならない。この職場で働き始めて11か月経たけれども適応はできていない。それゆえ、その職場の人たちにとっては当然のことを見落としていたり、単純なミスをしたり、また、自分の能力を十分に発揮できていない。職場の人たちは暖かく受け入れてくれているけれど、自分にとって異文化摩擦がストレスになっていることもある。

まずは適応を進め、ある程度受け入れられ、信頼を獲得してから、自分の持っている異文化性を生かしてプラスのインパクトを与えたいと考えているが、まだ適応の途上にあるのが現状である。

(2) 2025年の抱負

3月が終わると、年度のなかでやるべき仕事を一通り経験することになる。まずは、適応のレベルを深めていき、業務の品質、効率をあげつつ、自らの文化摩擦のストレスを減らしていければと思う。しかし、正直に言えば、どこまでそれができるのか、あまり確信が持てていない。

おそらく、完全に適応するのを待っていると自分の任期が終わってしまいそうなので、これまで経験した仕事に対して、違和感を感じていることを蓄積してきている。年度が終わったところで、違和感を感じたところのうち、どれについて、また、どのような順番で手直ししていくべきかをまとめ、少しずつ働きかけていきたい。総論としての「改善」に反対する人はいないけれど、個別具体論としての「改善」にどこまでの人が共感してくれるのかがよく理解できていない。この組織においてはまだまだ「客人」の段階なので、この組織のメンバーが望まない「改善」を進めることが良いことなのか判断がつかないところがある。

色々書いてきたが、つまりは確信がもてず悩んでいるという状態である。いずれにせよ、新しい組織への適応を進め、少しでも信頼を得ていくことが重要なのだろう。

2.生活

(1) フィジカル

① 2024年の振り返り

a. 体調

8月末に新型コロナに罹患した。かなりの高熱が出て、解熱してからしばらくは調子があがらず、できることなら新型コロナに罹らないに越したことはない。インフルエンザも含めて感染症には継続して気をつける必要はあるだろう。また、二年前に大腸の内視鏡検査を受けたが、12月に再度検査してもらった。早期の対処すべき問題が見つかり、対処できて良かった。

それ以外は概ね体調はよく、ランニングとゴルフは継続して取り組むことができた。登山はもう少しやりたかったが、ランニングとゴルフのバランスであまり手が回らなかった。

b. ランニング

ランニングについて言うと、1月、2月、3月と3回ハーフマラソンのレースに参加できた。ランニングの目標は、少しでも長くハーフマラソンで2時間を切り続けることなのだが、今年は1月と3月のレースで2時間を切ることができ、まずは目標を達成できた。特に3月のレースでは自己最高のタイムだった。去年の後半から今年のはじめにかけて、それほどしっかり練習ができたわけではないので、少々意外な結果でもある。

今年の後半、新型コロナから回復して以降、10月からはランニングの時に使っているNike Runアプリが提供してくれているハーフマラソン向けの14週間のトレーニングプログラムに従って練習している。インターバルとロングランを組み合わせたプログラムで、自分で練習している時よりはハードな練習をしている。特に、1か月で100km以上走ったことがなかったけれど、この11月と12月は100km以上走っている。この年齢でこの練習をして、果たして効果があるのか、オーバートレーニングになっているのか、それを検証してみたいと考えている。

c. ゴルフ

今年は今までよりラウンド数を増やして、実地の経験を増やしてみた。技術的には上達していないけれど、考え方を変えることでスコアはまとまるようになってきて、100切りが(いつもではないが)できるようになった。今までは闇雲にピンの方向に向けてナイスショットをすれば届く(はず)のクラブを思い切り振り回していたが、今は次のショットがなるべく打ちやすいところを狙うようになった。例えば、コースの脇の林に入れたら、前に進めることは諦めてフェアウェイに出すことに集中するし、ラフに入ってボールが潜っていたら、無理せずアイアンを持って、次はフェアウェイから打てるようにする。基本的にボギーオンを目指して手前から攻めるようにしている。

技術面については、しばらく通っていたスクールを変えて、新しいコーチを試してみたことが大きい。行き詰まった時は、環境を変えることは良いかもしれない。実は、新しいコーチもこの年末で一旦やめることにした。色々迷ったが、現時点の結論としては、あまりフォームはいじらず、クラブやアドレス、グリップを調整してショット安定させるのが良いと思っている。

d. 登山

今年は4回、どれも登りやすい低山だったけれど、登山をした。天気が良いときを選んで登ったので、いずれも景色が良かった。特に、霧ヶ峰の車山は、北アルプスから南アルプス、富士山、八ヶ岳が一望できた。上記の通り、週末をランニングとゴルフに費やしたので、思ったほど登れなかった。

② 2025年の抱負

a. 体調

これは来年に限らない目標であるが、一年を通して動ける身体を維持したい。そのために必要なトレーニングに取り組もうと思う。

感染症はなるべく避けたい。個人的には、手洗いが効果があるように感じているので、新型コロナの時に身につけた衛生習慣は継続したい。

また、定期検診や必要な検査は受けて、早めに問題を解決しておこうと思う。

b. ランニング

2024年の振り返りに書いたが、今年の後半Nike Run アプリのプログラムでトレーニングをしているので、これが効果があるのかレースで検証したい。来年は、1月にハーフ、2月に30kmの青梅マラソン、3月にハーフのレースに申し込んでいる。3月のハーフでピークを作りたい。この結果を踏まえて、来年のランニングのトレーニング計画を立てようと思う。毎年、夏はランニングはやめているが、体調が維持できれば少しずつは走りたい。

また、来年の東京マラソンには、申し込んで抽選で外れたけれど、再来年も申し込もうと思う。これまでハーフマラソンが最長のレースだったけれど、東京マラソンの抽選が当たったらフルマラソンに初挑戦しようと思っている。青梅マラソンはその準備でもある。

 

2025/01/12追記

東京ニューイヤーハーフマラソンで、1:53:17と自己ベストを更新できた。オーバートレーニングにならず、トレーニングの効果があったのだと思う。

2月に30km、3月のハーフマラソンのレースに参加する予定。

 

c. ゴルフ

今年の成果を踏まえて、戦略とスイングの安定性を高めて、平均スコアで100切りを目指したい。今年並みのラウンドの回数を確保して、フィードバックをする頻度を高めていきたい。

d. 登山

奥多摩を中心に低山の登山の回数を増やしたい。あと、天気が良い季節を狙って、美ヶ原や北八ヶ岳ロープウェイなど楽にある程度の標高にいける登山も1〜2回できればと思う。

(2) インテレクチュアル

① 2024年の振り返り

a. 語学

今年はHSK5級合格を目標として、1年計画で中国語の底上げを進めてきた。12月に受験をして、結果は来年の1月にでる。現時点では合否はわからないけれど、今年の最初と比較すれば確実に上達したと思っている。特に、語彙量を増やすことに力を入れ、その副産物として、ヒアリング、スピーキング、リーディング、ライティングのすべての側面において効果があったと思う。

 

2025/1/12追記

HSK5級の結果が出て、听力84点、阅读93点、书写80点、合計257点と各分野すべて8割を帰ることができた。

 

重点を中国語に置いたので英語に時間はあまり割けなかったけれど、生成AIを使って会話の練習ができるアプリを使い継続して練習をした。また、新しい職場では、海外からの来客があり、基本的には通訳をしてもらっているけれど、直接英語を使って説明ができるとより良いので、少しずつ自分の英語で説明をするように試みている。

b. 読書

今年は語学の学習に時間を割いたため、読書量は減っている。また、老眼が進み、本を読むスピードも遅くなってきている。そんな中での今年の読書の特徴としては、台湾関係の読書を進めた。台湾の小説や夏の台湾旅行で買った中国語で書かれた台湾の歴史の解説書を読んだ。現在は民主制が定着している台湾だが、そこに至るまでには苦難の歴史を経ており,そんな苦難の歴史をしっかりと受け止めてる台湾の人たちに対してリスペクトをしている。

c. 旅行

ずっと大航海時代を追いかけていること,また,中国語の学習の成果を生かすことの二つの理由があり,ずっと台湾に行きたいと思っていた。新型コロナのため,2019年末の上海旅行以来,海外旅行をしていなかったが,今年の夏休みに久しぶりに海外旅行として台湾,主として台南に行ってきた。台南では長年行きたいと思っていたオランダ人と鄭成功が戦ったゼーランディア城に行くことができた。本で歴史は読んでいたけれど,実際にその土地に行ってみると,情報量が多いことを実感した。

② 2025年の抱負

a. 語学

中国語の学習は継続するけれど,ペースダウンをする予定。

来年は,職場にやってくる海外からの来客への説明をできるように英語のブラッシュアップをしたい。まずは,発音の矯正からする計画である。

b. 読書

中国語の学習をペースダウンするので,読書の時間を取れる見込み。ここ数年語学を優先して中断していたけれど,政治哲学の古典の読書を再開しようと思っている。特に,トランプ大統領が再選されたこともあり,ジョン・ロールズとロバート・ノージックの本を読んでみたいと思う。

そのほか,英語と中国語の本を一冊ずつ読みたい。

c. 旅行

正月,台北に旅行をする。台湾には,あと阿里山と東部,2〜3回は行ってみたいと思っている。来年行くか,再来年以降に行くかは検討中。実際に何か起こるかどうかはわからないけれど,台湾には行きづらい状況になるかもしれないので,早めに行きたい気もする。

あと日本国内では,倭寇の歴史と関わりが深い平戸と五島列島柳田國男の遠野には行ってみたい。また,長野にちょっとした登山も兼ねた旅行もしてみようと思っている。

どこへどの順番で行くのかまだ未定だが,夏休みには1週間休んでどこかへは旅行をするつもりだ。

(3) ファミリー

今年の1月で58歳になる。あと2年で定年になり,そのあとは希望すれば再雇用される。

60歳を目途としてその後の生活に向けた準備をしてきたい。

2023−24シーズンのランニングの振り返り

自分にとってのランニングシーズンは涼しい時期、11月から3月が中心である。そのほかの時期も少しずつ走ってはいるけれど、暑い時期の有酸素運動は水泳や低山の登山を中心にしている。

2023-24シーズンのランニングはなかなか実り豊かだった。

現在のランニングでの目標は、何歳までハーフマラソンを2時間以内で走れるか、ということだ。

2022-23シーズンは体調が悪かった。データを見ると12月から1月はあまり走れず、ハーフマラソンも2月に1回参加しているだけで、その時も完走できれば良いという体調だった。記録も2時間9分かかっていて、もう2時間を切るのは難しいのではないかと思っていた。

2023-24シーズンは順調に練習ができて、1月から3月まで毎月1回ハーフマラソンレースに参加できた。週末は10km走り、週日は2回ぐらい3km走るというルーティーンが守れた。疲れている時はリカバリーランで、調子が良い時はインターバルを入れる。

レース前は、一週間前の週末の10kmランの後は、週日は一回3kmジョグを入れるとレースに向けてちょうどコンディショニングが整うことがわかってきた。

今シーズンは1月のレースで2時間を切れた。そのレースのコースは結構アップダウンがあって、その時のペースメーカーをしてくれた人に、普通のコースのハーマラソンではもっと記録が良くなるはず、と言っていた。自分は半信半疑だったのだが、3月のレースでは自己記録を更新できた。

おそらく、数年前と比べると走力自体は落ちていると思う。1500m、5km、10kmを練習した時の記録は確実に遅くなっている。しかし、ハーフマラソンを走るときは、タイム設定やペース配分、コンディショニングの面で工夫の余地が大きく、経験の要素が大きい。

もし、体調を維持できれば、次のシーズンは30kmのレースに挑戦しようと思う。

【2023-24シーズン記録】

2023/11 63.3km

2023/12 68.4km

2024/01 73.3km

2024/02 79.0km

2024/03 75.2km

合計  359.2km

2024/01/13 ニューイヤーハーフマラソンin国営昭和記念公園 1:57:44

2024/02/25 東金・九十九里波乗りハーフマラソン 2:04:26

2024/03/24 練馬こぶしハーフマラソン 1:55:43

 

【2022-23シーズン記録】

2022/11 47.7km

2022/12 17.1km

2023/01 34.2km

2023/02 79.4km

2023/03 73.9km

合計  252,3km

2023/02/26 東金・九十九里波乗りハーフマラソン 2:09:02

2023年の振り返りと2024年の抱負

2月になったけれど、1か月遅れで去年の振り返りと今年の抱負について書きたいと思う。まず、以下に、2023年初に書いた抱負へのリンクを張っておく。

yagian.hatenablog.com

総論:職業と生活の再度のシフトチェンジ

2023年の抱負に「職業では去年新組織を立ち上げ、今年以降はサービスの拡大、組織の整備と安定稼働を実現するというミッションがある。おそらく、このミッションが完結する頃には定年目前となり、シニアとしての職業生活への切り替えに直面しているだろう。」と書いた。この時点では想定していなかったが、この2月1日からこの「新組織」から異動して、別の組織に出向することになった。

この1月で57歳になったところだが、異動前の組織には60歳前ぐらいまでに所属して、安定稼働する組織にしていくことをイメージしていたが、そのミッションは途上の段階だけれども後任に託すことになった。

異動先の組織には一つ解決すべき問題があり、短期的にはそのために異動する。おそらく、その問題自体は1年程度で解決すべきことなのだが、その後、特に問題がなければこの組織が自分のフルタイムの仕事としては最後のポジションとなりそうである。

今年の最重要課題は、まずは異動した組織での問題解決、そして、自分にとっての最後の仕事の究極的なミッションを見出すこと、また、リタイア後に向けた生活の準備を始めることの3つになると考えている。

生活:体調を維持する新しいルーティーンの確立

  • 新しい仕事のリズムに合った新しいルーティーンの確立

一昨年の年末頃から昨年の前半は体調が優れなかった。前職はやりがいのあるミッションだったが、自分の能力と比べると手に余るものだったので、ストレスが強かった。体調の悪さはそれが原因だったと思う。関係者と相談して、ある程度業務を減らすなどの対応をして最悪の事態になる前にコントロールすることができた。

異動後の組織は、まだ仕事のリズムは十分に把握していないが、おそらく異動前と比べると安定しているようだ。生活面では、新しい仕事のリズムに合った新しいルーティーンを確立して体調を維持していくことが第一の目標になる。ここから下に書いている目標を実現するためには、体調を通年で維持することが前提条件となる。

職業:キャリアの最後のミッションへの取り組み

  • 短期的なミッション、課題解決
  • 中長期的なミッションの見極め
  • 異動先での業務に必要な知識の習得

異動前の組織の状況、課題について、後任者に引き継ぐことができたし、メンバーの育成と強化は、限られた時間でできうる限りのことはやれたと思う。その意味で、異動先での業務に100%集中していきたい。

異動に際して与えられたミッション、課題解決については、新しい組織に慣れた段階からあまり時間をかけずに解決する必要があるし、していきたいと考えている。

もちろん、入口として短期的な課題解決をしないと次のステップには進めないのだけれども、異動先の組織において自分の最後のフルタイムの仕事として取り組むべきミッションを見極めていきたい。

また、異動先の組織は、専門性の高い業務であり、自分自身は専門家とまではなれないけれども、業務に必要な知識はしっかりと習得していく必要がある。

フィジカル:動ける身体を維持するためのコンディショニング

  • ランニング:通年質の高い練習をして、ハーフマラソン2時間を切れる走力を維持する
  • ゴルフ:平均スコアが100程度になる
  • ハイキング:首都圏からアクセスがよい低山ハイキングを楽しむ

去年のランニングの記録を見ると、4月から8月がほとんど走れていなかった。その頃が体調がよくなかったということだと思う。一昨年は年間で306km、昨年は448kmだったので、体調が悪いといいながらも9月以降はそこそこ走れていたのだと思う。

今年の目標はハーフマラソンで2時間を切ることにしようと思っていたが、実は1月に参加したハーフマラソンで2時間が切れたので、来年に向けて走力を維持することを目標にしたい。この年齢になると、走力高めることは難しい。走力を高めるためには強度が高い練習を一定量しなければならないが、疲労回復に時間がかかるようになったことが原因である。今年は、距離、スピードに変化をつけて、毎回目的を明確にした練習を通年継続したい。

ゴルフは、正直に言うと、なかなか上達せず、モティベーションが切れそうになることがある。あまりスコアにこだわらず、社交ができればよいではないか、と割り切ることもありえるけれど、もう少しジタバタしてみようと思う。目標としては、100を切れたりきれなかったり、平均して100程度のスコアになることを目指したい。今年は、レッスン先を変え、また、状況が許せば実地のラウンドを増やしていきたい。

去年は、5回低山ハイキングができた。特に、浅間山の外輪山にあるトーミの頭の景観が印象的だった。1月に鎌倉アルプスを歩いてきた。今年は、奥高尾、奥多摩の低山を中心に歩きたい。

語学:中国語は向上、英語は維持するために継続する

  • 中国語:HSK5級合格
  • 英語:SPEAKによるトレーニングの継続と発音のレッスン

中国語の学習を継続するなかで、HSK5級レベルは一つの大きな目標だった。今年の年末に、HSK5級の試験を受験することを目指したい。そのために、今年の前半は語彙の増強、後半はリスニングの強化に集中的に取り組みたい。また、実践という意味で、台湾旅行をして、実地で自分の中国語を試してみたい。

英語の学習では、生成AIを使ったSPEAKというアプリによるトレーニングを一年間継続して、どのような効果があるか試してみようと考えている。また、発音にフォーカスしたレッスンにも取り組みたい。

趣味:台湾旅行をする、日本近代経済史を読む、政治哲学の古典を読む

  • 台湾旅行をする
  • 日本近代経済史を読む
  • 政治哲学の古典を読む

海外旅行は2019年末の上海が最後で、コロナ禍になってからは、インバウンド観光客の気分で日本を観光するというテーマで旅行をしてきた。今年はそろそろ海外旅行を解禁して、中国語学習の成果を活かせる台湾に行ってこようと思っている。台北には行ったことがあるので、今回は台南を中心に旅行してみたい。

異動先での仕事とも関わるので純粋な趣味とはいえないかもしれないが、今年は、日本近代経済史の本を集中して読みたいと思っている。すでに何冊か読み始めているが、これまでの自分の興味とも重なる部分もあり、楽しんで読むことができそうだ。

これは今年一年の目標というより、5年ぐらいかけて継続して取り組んでいくことだが、プラトンからジョン・ロールズまでの政治哲学の古典を読み、民主主義の本質を理解したいと思っている。

住居:キッチンのリノベーションの計画づくり

  • キッチンのリノベーションの計画づくり

キッチンとリビングは近い将来リノベーションをしたいと思っている。今年は異動先の仕事のリズムを把握して、実施は来年以降になると思うけれど、計画づくりはしていきたい。

試行錯誤をする

今年は新しい環境に入ることもあり、試行錯誤をし、自分の体調をしっかり見ながら、新しい生活のスタイルを作っていきたい。

2023年に読んだ印象的な本

あけましておめでとうございます。

 

毎年、新年に1年間の振り返りと新年の抱負を書いているが、それは明日にして、今日は去年読んだ印象的な本について書こうと思う。

語学の学習をしているとその分読書量が減ってしまうし、最近は文字が小さい本を読むのが少々辛いが、去年はいくつか印象的な本を読むことができた。

 

村上春樹『街とその不確かな壁』
村上春樹世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

大学生の頃『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』が出版され手にとって以来、ずっと村上春樹の新刊が出るたびに読んできた。ここ最近の数作品については、あまり楽しむことができず、この『街とその不確かな壁』についてもあまり期待しておらず、電子書籍を買ってから半年ほど放置してしまった。

ふと気が向いて読み始めたところ、特に第二部以降は小説世界に引き込まれ、時間を忘れて没入する読書体験は久しぶりだった。

『街とその不確かな壁』は村上春樹自身の過去の作品を改作したもので、二つの並行世界が描かれる『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の「世界の終わり」パートとモティーフが共通する。そこで、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』を再読してみた。

「ハードボイルド・ワンダーランド」のパートはいかにも若書きで冗長だと感じたが、「世界の終わり」パートは、この小説のものもよかった。『街とその不確かな壁』と比べると『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の方が、「世界の終わり」の描写がより詳しい。その詳しさが、自分には冗長に感じなかったけれど、『街とその不確かな壁』の方がよりムダがないということかもしれない。

世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』の最終盤も緊密度が高く、これも『街とその不確かな壁』に劣らない小説体験ができた。村上春樹としては、『世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド』のラストが納得していなかったのかもしれない。自分も100%納得できる訳ではないが、しかし、小説体験の深さを考えると、ラストについてはあまり気にならなかった。

 

ダニエル・カーネマン『NOISE』

ダニエル・カーネマンの前作『ファスト&スロー』はかなり評判になり、行動経済学の考え方の基礎を興味深く、わかりやすく理解できる良書だった。『ファスト&スロー』に比べると『NOISE』はおもしろみは書けて、少々退屈なところがあり、実際、『ファスト&スロー』ほど評判にはならなかったけれど、内容が深いと思う。

『ファスト&スロー』は認知のバイアス、すなわち、系統的なズレを扱っており、『NOISE』は判断、予測の分散、ノイズについて扱っている。

人間には獲得することに比べ、損失することをより大きく評価する。具体的に言えば、1000円得られる機会を得ることと、1000円失う機会を避けることを比べると、1000円失う機会を避ける。この傾向は人間一般に共通するもので、そのような系統的なズレをバイアスを呼ぶ。

一方、人間が何かを予測する時、仮に同じ情報を提示されたとしても、専門的なトレーニングを受けた専門家であっても結果は異なるし、同じ人でも別の機会に予測すれば予測値が異なる。このようなばらつきをノイズと呼ぶ。

『NOISE』によれば、専門家であってもこのノイズによるばらつきはかなり大きく、専門家の予測はあてにならないという。最近、専門家による判断、予測よりAIによる判断、予測の方が上回るのではないかということが指摘されているが、そこまで複雑ではないモデル、単なる線形回帰モデルや、さらには、説明変数ごとに重みづけをせずに評点を単純集計したモデルですら、専門家のよる判断、予測よりノイズが小さく、より正確だという。

また、一般の人の予測を単純集計した結果がかなり正確だということはこれまで指摘されているが、それは、集計することでノイズが打ち消されることによるという。これも予測者同士がコミュニケーションをせず、独立した予測値を単純集計することがポイントで、合議をすると声の大きい人に予測値が左右されるため、予測値は不正確になるという。

ここからは、自分の感想であるが、人間の理性を重視する近代哲学では、理性のある人間が熟議をすれば正しい結論を得ることができる、という前提があると思うが、『NOISE』の主張はこれを完全に覆している。理性による判断よりはノイズが排除される単純なモデルの方が正確であり、集合知が機能するにはむしろ合議しない方が望ましい。これは、少数の人間が合議して計画するより、市場システムやルールベースの判断の方が正確性が高いことを意味している。

カーネマン自身はこのような主張はしていないし、読者の多くもそのようには考えていないと思うが、主知主義的な近代哲学や社会主義的な発想に対する深い批判になっていると思う。

 

上田信『戦国日本を見た中国人』

この本は、日本の戦国時代に、倭寇を防ぐように有力者に働きかけるため、中国から日本にやってきた使者、鄭舜功の手記「日本一鑑」を読み解くものである。

最近、日本の戦国時代において、後期倭寇、西洋人の来航、南蛮貿易キリシタン石見銀山と明への銀の輸出など、国際関係の重要性が指摘されるようになってきた。この本もその一環で、同時代の中国人から日本がどのように見えていたのかがよくわかる。

基本的に、中国から当時の日本人は凶暴と思われていたようだ。確かに、勘合貿易の時、中国で大内氏細川氏が武力闘争をしてしまうという前代未聞の事件を引き起こしているし、また、北方でモンゴルと戦闘を継続していた明は、元寇を追い返した日本の武力を評価して、日本刀を大量に輸入し、モンゴルと戦闘する部隊に配備していたという。

鄭舜功は、中国人に対して、日本人は凶暴は凶暴だが、ある種の秩序があり、話し合うことが不可能ではない、ということを主張していたようだ。その後、秀吉が朝鮮に侵攻し、それを防ぐことはできたけれど、防衛の負担が明の滅亡の原因の一つになったことを考えると、秩序ある凶暴という指摘は的を射ていたのだと思える。

この本で知った興味深い知識として、戦国時代の南蛮貿易に使われていた大型のジャンク船は、外洋を航行する能力があり、南から日本に来航する際、瀬戸内海を通らず高知沖から和歌山湾を通り、堺に入るルートを使っていたという。以前、戦国時代、鉄砲や火薬の原料を入手する交易は必ず瀬戸内海を経由するならば、この海域に影響力を持った戦国大名が有利なのではないかと思っていた。しかし、上記のルートが一般的であれば、堺を支配さえすれば、鉄砲や火薬の入手には困らないことになる。織田氏が毛利氏に対して優位だったことも納得できる。

 

 

近藤一博『疲労とはなにか』

疲労疲労感の原因、さらにはうつ病の原因について最新の研究を紹介した本。

以前、うつ病を患ったことがあり、これは疲労感の病だと感じていた。自分に関して言えば、確かに、情緒的な落ち込みも伴うのだが、圧倒的な身体的な倦怠感が主症状で、精神的な病気というより、身体的な病気という印象を持っていた。

この本によると、疲労感を正常なものと病的なものに分類している。正常な疲労感は、身体で起きる炎症によって誘導される脳内の物質によって疲労感が引き起こされるという。病的な疲労感は、体内にいるある種のヘルペスウイルスがストレッサーなどによって活性化することで、匂いを感じる器官が冒されることで、脳内の炎症を抑えるメカニズムに障害が起きることが原因だという。新型コロナウイルスの後遺症である倦怠感も似たようなメカニズムがあるという。

この研究がどの程度実証されているものかわからないが、少なくとも、過去に読んだうつ病のメカニズムに関する本よりは、自分の症状をうまく説明できているように感じた。また、抗うつ剤にはあまり効果がないと感じているが、この理論に沿ってより効果的な治療薬が開発されると良いと思う。

うつ病については、確かに人間関係などの精神的なストレッサーが要因の一つになり得るのだが、発症のメカニズムそのものは脳の器質的なもので、それに働きかける薬剤で治療しうる、という考え方には大いに納得できる。

また、日常的な疲労感との付き合い方にもヒントを得られた。