面倒くさい人、バラクに幸多かれ(そして自分も)

ミシェルとバラクと「ドゥ・ザ・ライト・シング

オバマ家にはなぜかずっと関心を持っている。

以前、長女のマリアが反抗期で、公的な行事でもふてくされた態度をとっていたときは、これからどうなるのかずっと気になっていた。その時期には、ミシェルとバラクの仲にも隙間風が吹いていたように見えていた。結局、マリアの大学入学のためにバラクが熱心に動いたこともあり、反抗期を抜けてすっかり落ち着いたようだ。

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ミシェルとバラクは私よりちょっと年上だけど、結婚した年が私と同じで、なんとなく同世代感を抱いている。彼らがはじめてのデートで見た映画は、スパイク・リー監督の「ドゥ・ザ・ライト・シング」だという。私はこの映画を恵比寿ガーデンプレイスの映画館で見たことをよく覚えている。この映画ではじめてヒップ・ホップ・カルチャーに本格的に触れ、印象に残っている。自分の同世代の黒人のカップルがはじめてのデートで見る映画にふさわしいなと思う。

以下の記事のなかでミシェルは「彼はインディペンデントの映画を選んで趣味のいいところを見せようとしたんだけど、とってもいい映画だった、すばらしかった」と言っている。バラクの「見栄」がちょっとかわいい。

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インターネットで検索するとミシェルとバラクの写真はたくさん見つかる。ホワイトハウスに入って以降は、専属カメラマンのピート·ソウザが撮った「すてき」すぎる写真が多い。たしかに「すてき」な写真だけれども、ちょっとかっこよすぎる。私が気に入っているのは、ミシェルとバラクが婚約時代に、バラクのルーツの地であるケニアを訪れたときにとったというこの写真だ。

バラクがこのときから「オバマ・ジーンズ」を履いているのがなかなか笑える。「すてき」すぎる写真と違って、バラクが笑っていないのも印象的だし、対象的にミシェルはかわいらしい。

https://timedotcom.files.wordpress.com/2016/08/barack-obama-michelle-obama-love-story-romance-photos-02.jpg?w=1200&quality=85&h=828

内向的な面倒くさい人

バラク・オバマについて書かれたものを読むと、彼はなかなか打ち解けない人だということがわかる。ジョージ・W・ブッシュは気安い人柄で、誰とでもすぐ打ち解けたようだ。それに比べるとバラクはなかなか「むずかしい人」のようである。小泉純一郎ジョージ・W・ブッシュは、仕事を超えた仲の良さがあったように見える。一方、安倍晋三とバラクは仕事以外の話をしていたようには見えない硬い雰囲気がある。この写真の表情を見ても、気難しさが伝わってくる。

しかし、バラクが心を開く相手がいない訳ではない。オバマ政権の財務長官としてリーマンショックの対応にあたったティモシー・F・ガイトナーは「ガイトナー回顧録」のなかで、バラクと打ち解けることができ、個人的に話し込んだと語っている。

 思うに、バラクはいわゆる「内向的」な人なのだと思う。演説は非常にうまい。しかし、個人的な人間関係づくりは苦手。しかし、限られた人とは打ち解けることができる。「ガイトナー回顧録」を読む限り、ガイトナー自身も内向的な人のように思う。似ているのでウマがあったのかもしれない。

ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相

ガイトナー回顧録 ―金融危機の真相

 

 面倒くさい人、バラクに幸多かれ(そして自分も)

私自身、自分が内向的で面倒くさい人という自覚がある。たぶん、私の周囲には、こいつはとっつきづらいなぁ、と思っている人が多いんだと思う。バラクもどうもそう思われているようだ。しかし、ガイトナーのように打ち解けられる人もいるし、そういう人は貴重なだけにいきなり話し込んでしまったりもする。私自身にも似たようなことがある。

 そういう面倒くさい人と付き合っているミシェルは苦労をしたこともあるんだろうなと想像するし、バラクとマリアの関係が難しい時期があったのも当然だとも思う。しかし、そういう時期を乗り越えて、いまのオバマ家は平和な時期を迎えているように見える。

むずかしい人、バラクに幸多かれ(そして自分も)。