在日ファンとチャン・ギハと顔たちのライブに行く
先月、在日ファンクとチャン・ギハと顔たちのライブに行き、楽しい時間を過ごすことができた。
在日ファンクとは、SAKEROCKで星野源とバンドを組んでいた浜野謙太(通称:ハマケン)がボーカルのファンク・バンドである。「在日」と名前がついているけれど、「在日韓国人・朝鮮人」とは特に関係なく(いや、まったく無関係なのかはしらないけれど)、「日本二在リテふぁんくヲナス」ことを目指しているところから付けられたバンド名という。
チャン・ギハと顔たちは、韓国のインディ・ロック・バンド。詳しいことはよくしらないけれど、韓国のインディ・バンドとしては有名なようだ。
1集収録曲(2集活動時の演奏)チャン・ギハと顔たち(장기하와 얼굴들) - 何事もなく暮らす 2【Korean Psychedelic Rock】
在日ファンクとチャン・ギハと顔たちは、どういう経緯か意気投合をして、一緒にソウル、東京、大阪でライブをすることになった。
私はもともと在日ファンクのファンだった。前にも書いたようにチャン・ギハと顔たちはあまりよく知らなかったけれど、彼らが意気投合するのだから、いいバンドだろうと思っていた。在日ファンクはファンク、チャン・ギハと顔たちはロックとジャンルは異なるけれど、かっこいいサウンドにくだらない歌詞という私が大好きな方向性は共有されていて、どちらのライブも存分に楽しめた。
在日ファンクはすなおに楽しめるけれど、ブルーノ・マーズにわだかまるのはなぜだろう
ブルーノ・マーズの新譜"24K Magic"を聴いて、なんというか、微妙な気分になった。今回の新譜は、ブルーノ・マーズが好きなファンクを、彼なりの味付けをして提供するというコンセプトなのだろう。例えばこの"Perm"という曲、ジェイムス・ブラウンのスタイルで作られており、しかし、ジェイムス・ブラウンそのままではなくて、現代でもヒットするように仕立て上げられている。
Bruno Mars : Perm 24K MAGIC - Lyric Video
在日ファンクもジェイムス・ブラウンのモノマネといえばモノマネだけれども、すなおに楽しめる。しかし、なぜかブルーノ・マーズにわだかまってしまうのはなぜだろう。
別にブルーノ・マーズもジェイムス・ブラウンをバカにしている訳ではないし、単にパクってメシの種にしようとしている訳でもなく、実際に彼の音楽が好きだということも伝わってくる。そして、非常によくできている。
しかし、この"24K Magic"を聴いていると、聴いたことがあるような音楽、しかし現代的にブラッシュアップされている、次から次へと流れてくるが、さっぱり楽しくならなない。ああ、ロジャーね、それで今度はJBで、お次はマイケルか、としらじらと思ってしまう。
別に音楽にたずさわる人はアーティストたれ、とは思わないけれど、現代で最も予算をかけ自由に仕事ができる立場にあり、しかも才能あふれるブルーノ・マーズが作るものがこれなのかよ、という気持ちになってしまう。たしかによくできている。しかし、単によくできているだけ、とも言える。
附論:ブルーノ・マーズとピコ太郎の世界
タイトル・チューンの"24K Magic"のPVを見たとき、あっ、これってピコ太郎と世界観が同じじゃん、と思った。
Bruno Mars - 24K Magic [Official Video]
ちなみに、ピコ太郎のPPAPはこんな感じ。
もちろん、ブルーノ・マーズはおもいきりお金をかけた上でねらったチープさで、ピコ太郎は実際にチープなねらったチープさだけど、世界観は同じだ。今回、PPAPが流行ったきっかけはジャスティン・ビーバーがリツイートしたからだけど、それはただの偶然ではなかったのだと思う。