三回目のキャブス対ウォリアーズ
今シーズンのNBAファイナルが今週金曜日に始まる。三シーズン連続して、キャブス対ウォリアーズとなった。一昨年はウォリアーズが勝ち、昨年はキャブスが勝った。
今シーズンのはじめから(というより、昨シーズンのNBAファイナルが終わった瞬間から)この対決が期待されており、両チームともに圧倒的な力を見せつけてファイナル進出を決めた。
逆に言えば、ここまでは番狂わせがなくて、レギュラーシーズン、ポストシーズンともに盛り上がりを欠いていた。一年間、溜めに溜めたものをファイナルで一気に放出して、すばらしいファイナルになることを期待している。
奇跡のブロックショット
昨シーズンのNBAファイナルは、レブロン・ジェイムスのこの奇跡的なブロックショットが圧倒的に印象に残っている。
www.businessinsider.com 3勝3敗で迎えた最終戦、第4クォーターは膠着状態になり、両チームともなかなか得点が取れない状態だった。ウォリアーズがファーストブレイクで得点をとれば均衡が崩れそうな雰囲気もあったが、イグダーラがレイアップを決めようとした瞬間、レブロンが信じられない距離から飛び込んできてブロックショットを決めた。このプレーだけで試合の帰趨が決まった訳ではないけれど、一気に雰囲気が変わったことも確かである。
スーパースターだったレブロンが地元の弱小チームであるキャブスに入団し、孤軍奮闘しながらチームを牽引していたが、NBAファイナルに勝つことはできなかった。フリーエージェントになった時、チャンピオンになれるチームとしてマイアミ・ヒートに移籍した。この移籍は大きな議論を引き起こしたが、マイアミ・ヒートで二回NBAチャンピオンになり、いわば有言実行という形になった。
そして、二回目のフリーエージェントになり、地元のチームであるキャブスとふたたび契約した。彼は最終的な目標としてキャブスでのNBAチャンピオンとなることを選んだ。二回目のキャブスとしての最初の年が、一昨年、ウォリアーズとNBAファイナルを争うこととなる。最終的にキャブスの主力選手の怪我が相次ぎ、最後レブロンが孤軍奮闘となってしまい、力尽きる形でウォリアーズに負けることとなった。
ウォリアーズはステフィン・カリーを中心とした若いチームで、ベテランの域に達したキャブスよりは上り調子に見えた。その翌年、ウォリアーズはレギュラーシーズンで記録的な勝ち数を積み上げる。キャブスがチャンピオンになるには、その前年が最後のチャンスだったかもしれない、と思わせる強さだった。
NBAファイナルでは、ウォリアーズが3勝1敗とリードするが、そこからキャブスが盛り返し、そして最終戦の最終クォーターであのブロックショットが出て、レブロンの宿願が達成された。
ウォリアーズ有利と言われているけれど
今年のファイナルはもっぱらウォリアーズ有利と言われている。
去年、ウォリアーズはレギュラーシーズンの勝利数の記録がかかっていたこともあり、ポストシーズンには疲労がたまっていたように見えた。一方、キャブスはファイナルにコンディションのピークをあわせることに成功した。
一方、今年はウォリアーズにはあのケビン・デュラントが加わり、ポストシーズンにピークをあわせることに成功したように見える。キャブスも絶好調でファイナルを迎えているが、去年の状況で接戦だとしたら、そこから大きく積み上げたウォリアーズが有利という予想もうなずける。
しかし、しかしである。ポストシーズン、絶好調のレブロンを見ていると、もしかしてこの状況をひっくり返してくれるのではないかと期待してしまう。それに、今シーズンのウォリアーズは強すぎるけれど、冷静にキャブスをみれば戦力は充実している。
仮に勝てなかったとしても、去年のあのブロックショットのようなプレイを見せてくれるのではないか、と期待している。