稲本(id:yinamoto)と国立劇場に歌舞伎を見に行った。
江戸川乱歩の「人間豹」を時代を幕末に移して翻案した新作「江戸宵闇妖鉤爪」である。松本幸四郎、市川染五郎親子、市川春猿が出演していた。
際物かもしれないと思いながらも、江戸川乱歩を歌舞伎で上演するという企画のおもしろさにつられてチケットを買ってしまった。
批評的に見れば突っ込みどころはいろいろあったけれど、そのような見方をするのは野暮というものだろう。
新劇のような理屈っぽいせりふもまじっていたし、ややテンポが速かったような気がしたけれど、全体的に見れば、生世話があり、踊りがあり、思いのほか歌舞伎的な舞台だった。
市川春猿ははじめて見たけれど、おきゃんな町娘、あだっぽい踊り子、芯のある同心の女房の三役をうまく演じ分けていたと思う。
最後は染五郎が花吹雪の中宙乗りをした。歌舞伎気分を満喫できた。
- 作者: 江戸川乱歩
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2002/08
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