井川とヤンキース
ポスティングで井川をヤンキースが落札したという。
あまり井川のピッチングを見たことがないので、どこまで通用するかどうか、よくわからない。普通のチームあればローテーションに入れるのだろうけれど、ヤンキースではがまんしてもらうのは難しいから、うまいスタートを切る必要があるだろう。ローテーションに入れれば、防御率4点台で10勝少々というところか。去年のヤンキースで言えば、ジャレット・ライトかランディ・ジョンソン程度だろうか。
それよりも気になったのは、井川がヤンキースのファンに、受け入れてもらえそうもないことだ。チームのために黙って貢献するという大人っぽい選手が人気を得るヤンキースでは、アレックス・ロドリゲスですら不人気である。子供っぽく、洗練されておらず、自己中心的に見える井川は、ヤンキース向きではない。安定した成績をあげられればともかく、不調になるとすぐに叩かれそうだ。記者会見で井川は、ヤンキースは注目を集めているチームという意味では阪神と似ていると語っていたが、ヤンキースと阪神では注目のされ方はずいぶん違っていると思う。
キューバから亡命して直接ヤンキースに入団したホセ・コントラレスは、ずいぶん苦労したあげく、ホワイトソックスで活躍をしている。入団する前からこんなことを書くのもどうかと思うけれども、井川は、ヤンキースから放出されて、自分にあったチームに移籍してから活躍するということになるかもしれない。
最近、ロッテや日本ハムといった地域密着型のチームづくりとその成功が喧伝される。それはそれで悪くはないのだけれども、地域密着の枠を超えた、サッカーで言えばビッククラブを目指すようなチームもあってほしい。アスレチックスばかりではなく、ヤンキースやレッドソックスのようなチームもあってほしいとも思う。