西日本豪雨と地球温暖化
西日本豪雨と地球温暖化
先般の西日本豪雨で、200人以上の死者がでたとの報道があった。
梅雨末期の集中豪雨で、九州、四国、中国地方にかけて毎年のように水害が発生している。しかし、今年の被害は特に大きかった。
私は「地球温暖化」の影響で水害の規模が大きくなっているのかな、とふと思ったけれど、思いのほか西日本豪雨と地球温暖化を結びつける報道が少なかったように感じている。最近、「地球温暖化」は流行っていないのだろうか。
地球温暖化問題懐疑派
私は「地球温暖化」問題について、大雑把に分類すれば「懐疑派」に入ると思う。
「地球温暖化」という現象自体は進行しているのだろうと考えている。しかし、その原因についてはかなり複合的な要素が多く、解明されていない部分も多いと思うし、また、「地球温暖化」を原因としている自然現象もどこまで因果関係が明確なのか眉につばをつけなければと思っている。
地球温暖化の進行は、人間の知覚にとってはかなりゆっくりとしたスピードで進むため、なかなか実感として感知しにくい。
例えば、地球温暖化が進行することで降雨強度が増加することが指摘されている。
…地球温暖化が進行し、気温が上昇することで、大気中に含まれる水蒸気量が増加することから、降水強度が増加すると予測されている。
…
このように降水強度が増すことで、現在、たとえば「300年に1度」の頻度で発生する豪雨が、「100年に1度」の頻度で発生するようになるなど、これまでの想定に比べて高頻度化することが予測されている。
しかし、「300年に1度」の頻度で発生する豪雨が「100年に1度」の頻度で発生するようになることを、人間は知覚することができるのだろうか?今回の私のように大きな水害が発生するとすぐに地球温暖化を連想してしまうが、その一回の大きな災害だけでは地球温暖化の影響で頻度が高まっているかは判断できない。一方、少しずつ豪雨の確率が高まっていっても、人間はそれを知覚することは難しいだろう。
だから、地球温暖化の影響に関しては、人間の実感はあまり当てにならないし、長期的なデータの解析からしか明らかにならない。
一方、地球温暖化に関わる研究をしている研究者のなかには、さまざまな減少のなかから地球温暖化を原因として取り上げたくなるバイアスがかかっている人がいる、という印象を持っている(すべての研究を否定する訳ではないが)。
風水害による死者、行方不明者の推移
最近、水害の被害が増えているような気がする、という自分の印象を検証してみようと思い、水害被害の推移のデータを探してみたところ『防災白書』に風水害による死者、行方不明者の推移のデータがあった。
実線が各年の死者、行方不明者、点線が回帰直線である。平成5年からのデータであるが、これを見る限りは近年風水害の被害者が急増しているとは言えない。もちろん、今年のデータが入れば、回帰直線は多少右肩上がりになるだろうけれど、今後の推移をみなければ増加傾向かどうかは判断が難しいだろう。