自分の文脈で読む

ここのところ自己啓発をしたい気持ちになっていて、自己啓発本を何冊か読んでいる。いまさらながら、斎藤孝三色ボールペン情報活用術」(角川書店 ISBN:4047041351)を読んでみた。少なくとも自分にとってはおおいに有益だった。もともと斎藤孝と私の発想法は似ていて、私は無意識でやっていたことを、斎藤孝は方法化しているように思う。だから、斎藤孝が書いていることはすんなり理解できたし、その方法もすんなりと実行できそうだ。
参考になったところはたくさんあったが、ひとつだけ紹介したい。彼は、資料のなかで、客観的に最重要なところを赤でマークし、重要なところを青でマークし、自分にとって主観的に重要なところを緑でマークする。そして、赤でマークするところだけではなく、緑でマークするところが重要だという。
「自分が持っている暗黙知の文脈と情報のほうが持っている文脈をクロスさせ、出会わせるということ。……情報は人の暗黙知と出会うことで固有の価値を持ち始める。……出会った情報に、その人固有の価値を持たせる。それが本質的な情報との出会い方なのである。」そして、情報が持っている文脈は、赤や青でマークしたところが代表し、その人固有の暗黙知が持っている文脈は、緑でマークしたところが代表する。
私も斎藤孝のように方法化こそしていなかったけれど、なにか読むときには、必ずその文章を書いた人の文脈と自分自身の文脈を交わらせて、自分にとって価値のある意味をくみ出そうとしていた。これまで、このウェブログでさまざまな本から引用してきたが、それらは、斎藤孝の方法を使えば緑でマークするところだ。そして、自分の文脈に引きよせて生まれたことを書いてきたつもりだ。
三色ボールペンの方法で、これまで自分がやってきたことをより深化させることができそうだ。