成長とプレッシャー
北京オリンピックも大詰めを迎えている。
ここまでのオリンピックで印象的だった場面は、ありきたりだけれども、100m平泳ぎ決勝で勝ったあとはじめて涙ぐむ姿を見せた北島康介と、女子ソフトボールでの上野由岐子の三連投だった。アテネオリンピックに比べ、北島康介と上野由岐子との二人ともすっかり大人になった様子を見て、なにか、甥っ子と姪っ子の成長をまぶしく見る叔父のような気分になった。成長するだけの努力と苦労をした四年間を過ごしていた彼、彼女に比べ、成長おろか退歩していたかもしれない自分の四年間のことを考えさせられた。
さっき、日本対アメリカの野球の三位決定戦が終わった。今回の日本代表チーム(あたかも監督が主役のような「星野ジャパン」という呼び方はあまり好きではない)は、四位にとどまった。優勝は難しいと思っていたけれど、いいところなく負けてしまったという印象が強い。
アテネオリンピックでも日本代表は優勝できなかったけれど、ふだんのシーズン中には見せない全力プレーが印象に残るチームだった(id:yagian:20040822:p3)。アマチュアとプロの混成チームで韓国に負けてメダルを逃したシドニー・オリンピックの時も、プロの選手として代表に参加した松坂大輔や松中信彦、中村紀洋が悔し涙を流していた姿をよく覚えている。
今回のオリンピック代表が勝てなかった理由はいろいろ挙げることができると思う。代表となった選手が故障などで調子を落としていたのが大きな理由だったと思う。しかし、制約だらけだったシドニー・オリンピックの代表チームに比べても、今回のオリンピックの代表は印象が薄く、記憶に残る場面もなかった。まさに、プレッシャーと相手チームのパワーに負けて、不甲斐ない戦いぶりだった。
負けっぷりの悪さは、ドイツ・ワールドカップのサッカー日本代表を思い起こさせた。残念に思う。