アマチュアリズム
オリンピックの野球にはMLBの選手が参加しないからベストメンバーがそろわないし、とあまり期待していなかった。しかし、北京オリンピック予選の日本対韓国、日本対台湾の試合、いざ見始めたらしびれる試合だったし、日本代表も魅力あふれるチームで、目が離せなくなってしまった。
MLBや日本のプロ野球と比べると、オリンピックの野球は、非常に簡素だ。球場は粗末で、コーチやスタッフの数も少なく選手も仕事を分担している。宮本は守備コーチを、井端は一塁コーチの役割を兼ね、控えのキャッチャーはブルペンでボールを受けていた。選手たちは、自分の成績や怪我や外見を気にすることなく、純粋にチームが勝つことを目指して全力を尽くしているように見える。
私はオリンピックはアマチュアリズムのよさを守らなければ、などとは全く思わないけれど、野球の日本のオリンピック代表チームは、アマチュアリズムのよさが詰まっていて、そこが魅力的なのだと思う。選手たちも、高校時代の部活を思い出したような、もしかしたら、その頃よりも純粋な気持ちで野球に取り組み、楽しんでいるように見える。
アマチュアとプロが混在したシドニーオリンピック代表、各チームから代表選手の制約があったアテネオリンピック代表、MLBに主力選手が流出した後の北京オリンピック代表。すべて、ベストメンバーをそろえたドリームチームではないのだけれども、アマチュアリズムのスピリットに満ちたいいチームだった。
狭い広島球場でホームランを稼いでいる新井が四番というのはさびしいな、と思っていた。しかし、ずっと集中して打席に立ち、最後には、広い台湾の球場でライトにホームランを打ってしまった。いい選手だなと思った。
ドイツワールドカップのサッカー日本代表チームはとにかく子供っぽかった。この差は何が原因なのだろうか。