ビーチボーイズのコーラス
iTuneをアップデートしたら、Genuineという機能が追加されていた。自分が持っている曲を指定すると、曲調が微妙に似ている曲を集めたプレイリストを作ってくれるのである。
さっそく、Ben Foldsの"Philosophy"でプレイリストを作ってみたら、次のような曲が並んだ。
- Ben Folds Five "Narcolepsy"
これは、Ben Folds 自身がかつていたグループだから曲調が似ていて当然だ。
- The Beach Boys "I Just Wasn't Made for These Times"
"Pet Sounds"の曲。ものうい雰囲気がBen Foldsと意外にしっくりくる。
- Sheryl Crow "We Do What We Can"
Ben Foldsはアコースティックなピアノの音が目立つが、そこが共通しているかもしれない。
- Lauryn Hill "Just Want You Around"
"Unplagued"の曲。これもアコースティックなところが似ている。
- Bob Dylan "Tombstone Blues"
Ben FoldsとBob Dylanは、放り投げたような歌い方が似ているのか、続けて聞いて違和感がない。
こうして聴いていると、しばらくお蔵入りにして聴いていなかった曲が新鮮でいい。このなかでは、特に、The Beach Boysが懐かしかった。"Pet Sound"をしばらく聴いてなかったけれど、聴き直さなければと思った。
ずいぶん前の日記で、The Beach BoysとThe Beatlesを比較してこんなことを書いたことがあった。(http://www.lares.dti.ne.jp/~ttakagi/diary/diary/9706.htm#19970619)
1997.6.19 Thu. ビートルズ、ストーンズって本当にいいの?
ビートルズの曲をあらためて聴くと、うーん、あまりたいしたことないなぁ、と思ってしまう。やっぱり、アイドル性とかカウンターカルチャーとかジョン・レノンの暗殺とか、そういったサイドストーリーを抜きにしてみると、あのころのふつうのロックバンドの一つにすぎないんじゃなかろうか、と思う。
そういう意味では、ストーンズなんかも、もっとサイドストーリーというか、ギミックの割合が高いように思う。もちろん、ポップミュージックの世界ではギミックは非常に重要な要素だし、ギミックに頼っていることが悪いとはいわないけれど、今にして聴いてみると案外大したことがないと感じるバンドもある。
逆に、ギミック抜きで音だけ聴くと、ビーチボーイズって結構いいと思う。彼ら、なにせギミックがサーフィンだから、ビートルズやストーンズのギミックと比べると見劣りして、それでかなり損をしていると思う。確かに、歌詞なんか脳天気すぎる。けれど、音楽自体は、ビートルズやストーンズより気持ちいいと思う。
今では反省をして、The Beatlesもよく聴いている。反省の記をここ(id:yagian:20050813:p5)に書いた。
しかし、久しぶりに聴いてみると、The Beach Boysの特に"Pet Sounds"の曲は不思議と琴線に触れる。The Beatlesの"Abbey Road"を聴いて、すごいなぁと圧倒されるのとは違う感動がある。あのコーラスを聴くと、なんとも言い難い不安で宙づりにさせられたような気持になってしまうのである。