アメリカの学校でのゲイに対するいじめの問題

最近、通勤のときに、アメリカのニュースの情報収集(といっても、仕事にアメリカのニュースが直接役に立つわけではないので、アメリカ好きの私の趣味のようなもの)と英語のヒアリングの練習(これもまた、今は仕事で英語は使っていないので、海外でコミュニケーションを円滑にして楽しく旅行したいという趣味的な目的)を兼ねて、アメリカのニュース番組のPodcastを聴いている。
アンカーマンのAnderson Cooper (http://goo.gl/l6fQ) が機関銃のように早口でまくしたて(それが番組の売りでもある)、インタビューが中心の番組だから一般人がしゃべる英語を聴き取らなければならないので、私の英語力ではついていくのがかなり厳しいけれど、CNN Anderson Cooper 360° (http://goo.gl/gbIj) が飛び抜けて面白い。
議論が分かれるようなネタを拾ってきて、その渦中の関係者を番組に呼び、Anderson Cooper (余談だけれども、私と同じ歳らしく、親近感がわく) がクールに突っ込みまくるである。突っ込みがみのもんた古舘伊知郎的な情緒的なものではなく、ロジカルに厳しいところがいい。出演しているインタビューイーも意外と反論をしてみせたりして、そのスピード感がある攻防が面白い。内容が充分にキャッチできれば、といつも思う。面白いことは間違いないのだが、とりあげるテーマがあまりにもアメリカ的なため、日本で放送するのは難しいだろう。NHK-BSで同時通訳付きで見てみたいものだが。
自分の英語力に見合った番組という意味では、CNN Student News (http://goo.gl/hrfU) がちょうどいいかもしれない。だいたい高校生レベルを対象にしているのだと思う。子供番組というほどは対象年齢層が低いわけではない。Anderson Cooperよりはわかりやすい英語で、基本的なニュースを取り上げてくれる。NHK-BSでも放送しているから、見たことがある人もいるかもしれない。
今日聞いていたAnderson CooperとStudent Newsのそれぞれ、学校でのいじめの問題を取り上げていて、アメリカの学校でもいじめが問題になっていることを知った。
Student Newsでは、番組の視聴者である高校生にとって身近な問題という視点から取り上げていた。Anderson Cooperでは、ある地域の教育委員会(のことだと思う)の委員が、自分のFacebookに、ゲイという理由でいじめられて自殺した生徒は自業自得だという意味の書き込みをしたということを取り上げていた (http://goo.gl/3iiv)。その教育委員会の委員にインタビューを申し込み、断られ、周辺の人たちに取材をしていた。
日本でもマイノリティがいじめられるということはよくあることなのだろうけれど、あまりそのような角度からいじめの問題が取り上げられたことは意外と見たことがない(私は、子どもがいないので、いじめの問題に強い関心を持っていたわけではないので、事実誤認かもしれないけれど)。日本でも、もちろん同じ問題が起きているのだろう。しかし、特に、ゲイという理由でいじめられたという問題の取り上げ方はまったく見たことがない。まして、テレビ番組で正面をきって取り上げられるとは考えにくい。
学校でのいじめの問題は、日本に限らず、ある程度普遍性のある問題だということ、また、日本ではゲイなどのマイノリティの権利という問題について一般の人たちやマスコミの関心は低いということに気付かされた。
アメリカのニュースを聴いていると、取り上げるテーマや視点が日本とは違っている。もちろん、アメリカのニュース番組がすばらしく、日本のニュース番組が劣っているというわけではない。単に、違っているのである。それを比較することで、同じテーマが取り上げられていれば、そのテーマが普遍性のある問題だということがわかるし、日本のニュース番組で取り上げられていないテーマを見ると、日本にかけている視点が浮かび上がってくる。