合理性
今回の四国旅行では、徳島県の祖谷渓や高知県の梼原町など、四国山地の山中を訪れた。
道路から見上げるような急斜面にへばりつくように集落をいくつも見かけた。そこに行くだけでも大変だし、あれだけの斜面に家を建てることの大変さも想像つかない。どうしてあのようなところに暮らしているのか不思議に思った。
夕方、宿につき、そこの露天風呂からもそんな集落の一つが目に入った。宿屋のあるところは、山が陽を遮ってもう暗くなり始めているのに、その集落はまだ陽が当たっており明るかった。
一見不便に見える立地だけれども、その山の中ではいちばん陽あたりのいいところにその集落があることがわかった。ほかにも、私にはわからないだけで、その立地がすぐれている条件、たとえば、水が手に入るとか、生育のいい森林に近いとか、があるのかも知れない。
一見しただけではわからないけれど、隠された合理性はどこにでもあるのだろう。