今日は長いエントリーを書く根気がないので、引用だけで終わりにしたいと思う。
「寺田寅彦随筆集第二巻」のなかの「子猫」という随筆の最後に次のような一節がある。
私は猫に対して感ずるような純粋なあたたかい愛情を人間に対していだく事のできないのを残念に思う。そういう事が可能になるためには私は人間より一段高い存在になる必要があるかもしれない。それはとてもできそうにもないし、かりにそれができたとした時に私はおそらく超人の孤独と悲哀を感じなければなるまい。凡人の私はやはり子猫でもかわいがって、そして人間は人間として尊敬し親しみ恐れはばかりあるいは憎むよりほかはないかもしれない。
寺田寅彦の随筆にほの見える孤独感、さびしさに心ひかれる。
- 作者: 寺田寅彦,小宮豊隆
- 出版社/メーカー: 岩波書店
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