美術

気持ちいい音

この10月から自分の直属の上司が異動になり、その代わりに私がそのポジションにつくことになった。一昨日の夜、そのかつての上司と飲みに行って、いろいろと「大人の話」をした。 といってもふたりきりでずっと「大人の話」だけをするのは辛いので、話はいろ…

宗達、光琳、抱一

出光美術館へ「琳派芸術―光悦・宗達から江戸琳派」展を見に行った。(http://goo.gl/w8mHf) 琳派は人気があるから、琳派をテーマとした展覧会は楽しいけれど、混んでいて疲れてしまうことが多い。今回の展覧会は、日曜日だったけれど、混みすぎていることがな…

正確な描写

レイモンド・チャンドラー「さよなら、愛しい人」のなかに次のような一節があった。 その年のカレンダーの絵はレンブラントだった。図版の色の配合があまり良くなくて、おかげでその自画像はどことなく薄汚れて見えた。そこにいるレンブラントはしみったれた…

大琳派展

三連休は堆肥になって過ごしていたけれど、土曜日の午前中だけは、なんとかベッドから抜け出して、東京国立博物館へ大琳派展を見に行くことができた。絵もたくさん、人もたくさんで、おなかがいっぱいになった。 私は、江戸琳派の酒井抱一を贔屓にしているけ…

民主主義

昨日、井戸茶碗の展覧会を見るために白金にある畠山記念館に行ってきた。畠山記念館は、茶人でもあった荏原製作所の創業者の畠山即翁のコレクションを展示している。 今回の展覧会の目玉である細川井戸は、おおぶりのたっぷりとした感じの茶碗だった。その他…

ローマは一日にしてならず

美術館、展覧会に行くと、個々の作品だけではなく、コレクションの収集家についても考えることがある。このコレクターは趣味がはっきりしているな、雑然としたコレクションだな、とか、自分と好みがあうな、あわないとか。 最近、二つの展覧会を立て続けに見…

青い月

自分で俳句をつくることはしないけれど、歳時記を読むのは好きだ。この前、「合本俳句歳時記」(角川書店asin:4048716484)の夏の部を読みながら、気に入った俳句をノートに書き抜いていた。その中に、こんな句があった。 月青くかかる極暑の夜の町 高濱虚子…

美と美学

柳宗悦の日本民藝館に行くと、その趣味のよさに感心し、気持ちのよい時間を過ごすことができる。展示されているもの、展示の方法、建築、内装が調和しており、柳宗悦の小宇宙になっている。この空間は、他に似たものがない、非常に独創的な、唯一無二の存在…

鶏の絵

備忘録として腰痛の顛末は書いておこうと思うけれど、そればかりを書いているのもつまらないので、今日は、目先が違う話を書こうと思う。 先月、京都に旅行した際、京都国立近代美術館に立ち寄り、「プライスコレクション 若冲と江戸絵画展」を見てきた。 去…

芭蕉の感動のありか

松島観光をしてきた。 仙台駅から仙石線に乗り、塩釜をすぎトンネルを抜けると松島の景色が目に入ってくる。その時、これは日本画の松林の絵そのものだと思った。 松島は、日本三景のうちのひとつとされている。芭蕉が、感動のあまり句をつくらなかったとい…

オーラ

町山智浩のウェブサイトで、村上隆が著作権の侵害でナルミヤというこども服のメーカーを訴え、和解に至った顛末を知った(http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20060425)。 町山は、つねづね村上隆に批判的だが、この件に関してもはげしく批判している。町山の主…

この絵が買いたい

昨日の日記(id:yagian:20060501:1146444768)の続き。 静嘉堂文庫美術館(http://www.seikado.or.jp/menu.htm)で「国宝関屋・澪標図屏風と琳派の美」展に行ったのは、酒井抱一の「絵手鑑」(http://www.seikado.or.jp/sub0300.htm)を見たかったからだ。「絵手鑑…

江戸時代のアンリ・マティス

去年の夏、京都で伊藤若冲に興味を持って以来(id:yagian:20051225:1135520988)、若冲や琳派の画集を眺めるようになった。 ちょうど、静嘉堂文庫美術館(http://www.seikado.or.jp/menu.htm)で「国宝関屋・澪標図屏風と琳派の美」展を、根津美術館(http://www.n…

熱燗

ふと気がつくと、前回の日記から一か月以上経ってしまった。最近は、一月に一回ぐらい集中的に書き込む時期がやってきて、それが終わると、また、一月ぐらいお休みをしている。 アクセスログを見ると、書いていない時期もあまりアクセス数が減っていない。今…