フレームと創造力

最近、あえて仕事から気持ちを遠ざけるために浮世離れした本ばかり読んできたが、そろそろ仕事復帰に向けたリハビリをしようと思って「MBAマネジメント・ブック」を読んでみた。SWOT分析とか3Cとか、経営コンサルタントはフレームを作るのがうまいと感心した。
経営コンサルタントという職業は、アイデアを継続的に生産していかなければらなない。職業的にアイデアを生産するために、フレームを使っているのだろう。だからこそ、経営コンサルタントは、フレームづくりに余念がない。
フレームによってアイデアを生み出すことができる、というところは、俳句や短歌といった定型があるからこそ叙情を定着させることができることと似ているように思う。質さえ問わなければ、俳句や短歌は慣れると大量生産ができるようだが、経営コンサルタントもさまざまなフレームの力を借りてアイデアを大量生産する。私にとっては、このウェブログという形式が、アイデア生産のためのフレームになっているのだろう。
「ロジカル・シンキング」や「理科系の作文技術」に示されている作文技法は、こういったアイデア生産と表現のための統合されたフレームといえる。また、パワー・ポイントもそういったアイデア生産、表現のための標準的なフレームの一つとなっている。
しかし、あるフレームに慣れすぎて、そのことを意識しないようになると、アイデアが画一的になってしまう。最近、パワー・ポイントを使った上手なプレゼンを見ると、それだけで飽きてしまい、きれいな図表をぼんやりと眺めてしまい内容を理解しようとする気力がなえてしまう。じっくり話を聞いていると、見かけ倒しで、新鮮さがなかったりすることが多いように思う。
たまにはPCのフレームから離れて、あえて手書きのメモを使ったり、ホワイトボードに手書きで図を書きながら説明したりするのも悪くないかなと思っている。

新版 MBAマネジメント・ブック

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理科系の作文技術 (中公新書 (624))

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ロジカル・シンキング―論理的な思考と構成のスキル (Best solution)

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