「野生の思考」は、「メルロー=ポンティの思い出」に捧げられているが、序文にこのように書かれている。
メルロー=ポンティと私を知っている人なら、その理由のうちのいくらかをご存知のはずである。彼が健在であったならば本書は、1930年、教授資格試験の少し前、教育実習でシモーヌ・ド・ボーヴワールとともに私たちが出会ったとき以来の二人の対話のつづきとして彼に捧げられてであろう。(piii-iv)
フランスでの教授資格試験の前に行う教育実習というものの内容はわからないが、メルロー=ポンティ、レヴィ=ストロース、ボーボワールの三人が一緒だったとは、豪華メンバーである。
ところで、若桑みどりが天正少年使節について書いた「クアトロ・ラガッツィ」を読み始めているが、そのプロローグにこのような一節がある。
1961年に横浜から船に乗ってマルセイユまで言った最初の外国旅行の強烈な体験が、無意識の蓋をあけたように復活してきた。同じ船には文化人類学者として高名な川田順造さんや、同じく映画学者としてカリスマ的な蓮實重彦さんもいたといえば、留学生がつくってきた日本の戦後の歴史の一端がわかるだろう。(p14)
こちらは川田順造、蓮實重彦、若桑みどりである。これも豪華メンバーだ。
エリートの世界は、あんがいに狭いものなのだろう。
- 作者: クロード・レヴィ=ストロース,大橋保夫
- 出版社/メーカー: みすず書房
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クアトロ・ラガッツィ (上) 天正少年使節と世界帝国 (集英社文庫)
- 作者: 若桑みどり
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