最近、すっかりTwitter(@yagian http://twitter.com/yagian)につぶやくことが中心になってしまい、ウェブログの方をお留守にしてしまっていた。
ウェブログを書く時には、ある程度まとまりもあり、オチもつく文章を書こうと思うため、書き始めるまでにハードルがある。Twitterはそれに比べてずいぶん気軽に書くことができる。
しかし、Twitterでつぶやいていると、文章が湧いてきて140字の枠に収まりきらなくなり、連続してツィートしてしまうことがある。考えてみれば、そんなときはウェブログに書いた方がいいのだろう。
さて、ここのところ、江戸の思想史とミシェル・フーコーの本を交互に読んでいる。フーコーは「臨床医学の誕生」を読み、今は「監獄の誕生」に挑んでいる。「言葉と物」、「性の歴史」シリーズにも挑もうと思う。
フーコーの本は難しい。原書も難解だそうだが、それを翻訳で読むと一層難解になる。フーコーが使う術語が、こなれない日本語に置き換えられていて、そこにつまづくことが多い。日本語に翻訳されていても、原語の意味やニュアンスが理解できなければ、結局理解できない。その意味で、フーコーを翻訳で読むこと自体に無理がある。
難儀しながら少しずつ読んでいる。それでも、フーコーを読むことは楽しい。尊大な言い方になってしまうけれど、たぶん、フーコーと私自身の関心のあり方が似ているのだと思う。だから、難しいながらも自分の考えに引きつけて読むことができるのだろう。
「監獄の誕生」では、近代前後の犯罪に対する処罰の歴史を扱っている。近代国家では、処罰は罰金刑、禁固刑、死刑(死刑はない国も多いけれど)の三つである。そのことを当たり前のことと思い、疑問に感じたことはなかった。しかし、歴史的に考えれば、その他の多様な処罰があり、決して当たり前とはいえない。フーコーはそこに着目した。するどいと感心する。
当たり前と考えていることが、実は当たり前ではないことを、その観念や起源をたどることで明らかにすること。これがフーコーの「知の考古学」という方法である。私も同じようなことに興味を持っている。
現代の日本においても、当たり前と考えてることが、本当は当たり前ではないことが多いはずである。日本のナショナリズムの成立過程を江戸時代にたどり、「知の考古学」の方法で理解したいと思っている。
今は体調がいいから順調に読書ができている。梅雨に向けてこの調子を維持できればいいと思う。
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