2022年の抱負:職業の仕上げを見据えたシフトチェンジの年

恒例となった来年の抱負を書こうと思う。

以下は、昨日まとめた今年一年の振り返りである。これを基礎として、抱負を考えていきたい。

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総論:職業の仕上げを見据えたシフトチェンジの年

振り返りにも書いたが、いま勤めている会社の定年まであと5年となった。その後は、希望すれば5年間、シニアとして雇用は継続されるが立場は変わる。

現在、来年10月に向けて、新しい組織の設計、検討が進められている。おそらく、定年までの5年間は、その新組織に関わっていくことになるだろう。その意味で、この組織の形が決まる来年9月までの期間で、自分の職業生活の仕上げのあり様見えてくる。また、よりよい仕上げをするには、この新しい組織の設計、検討によい形で貢献することが重要だ。

また、新型コロナ禍をきっかけとして、生活、職業の両面で大きな変化があった。また、この新型コロナ禍が収束した後、もう一段階の変化があるだろう。定年後の生活はまさにこの新型コロナ収束後の世界で過ごすことになる。

来年は、この二つの変化に適応していくための基盤づくり、シフトチェンジの一年になると考えている。

生活:ルーティーンのキープと体調維持

  • 体調維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

この目標はここ数年不変のものである。

どのように環境が変化しても、心身の調子の維持が最重要であるし、そのためには適切なルーティーンのキープが効果的だ。もちろん、そのルーティーンも継続して改善していくこと。

今年の夏には体調を崩したし、また、回復力も徐々に落ちているように感じている。現在の体調に見あったルーティーンを無理せず守っていきたい。

職業:定年前の最後のミッションに向けた組織づくり、環境づくり

  • 10月以降の新組織の立ち上げ
  • 継続したリモートワークを中心とした業務の基盤整備

現在、10月以降の新組織の立ち上げ、リモートワークを中心とした業務の基盤整備(システム開発とそれを支える業務のあり方、体制の整備)に関わっている。これらを今後5年間を見据えてよりよいものにすることが、会社に対する貢献でもあり、自分の定年前の最後のミッションの成否に関わってくる。しっかり取り組んでいきたい。

生活:定年後の生活のイメージ作りとインフラの整備

  • 定年後の生活のイメージ作り
  • 生活のインフラ整備計画づくり

今年、料理のバリエーションを増やしてきた。これまでも、これに限らず徐々に家庭内でできることを増やしてきた。また、好きなことを中心として、なるべくシンプルで機能的な生活スタイルを実現するため、ムダなことを減らしてきた。そういう営みを続けることで、少しずつ定年後の生活のイメージの輪郭が見えてきている。来年も、そうした方向に進んでいきたい。

また、今住んでいるマンションも築25年となり、少しずつリノベーションを進めてきた。機能的な生活の基盤として、特に、キッチンのリノベーションが重要になる。来年はその方向性の検討を進めていきたい。

フィジカル:継続すること

  • 動ける身体を維持する
  • ランニング:ハーフマラソンを完走できるコンディションを維持する
  • ゴルフ:安定して100を切る基盤を作る
  • ハイキング:ハイキングを楽しむ

フィジカル面での最大の目的は、動ける身体を維持することである。これまでは、身体能力の向上を目指していたが、むしろ年齢なりのコンディショニングを主体に考えていこうと思っている。

ハーフマラソンの大会の一般的な制限時間は2時間30分だが、この制限時間内で走り切る走力をどれだけ長く維持できるかを考えて練習をしていこうと思う。

ゴルフについては、目標は今年のものを継続。さすがに今の状態を維持するのではなく、まだあと一歩向上の余地があると考えている。その可能性を追求したい。

以前、ランニングの延長で、トレイルランニングの大会に参加したことがあった。ロードより自然のなかを走るのは楽しかったが、危険性も高いと考え、結局断念することにした。今年、家族で何回かハイキングをしたが、これはこれで楽しく、来年はもう少し本格的に取り組みたいと考えている。

語学:継続すること

  • 中国語:これまで学んだ中国語の運用能力の向上
  • 英語:トレーニングの継続

来年は職業にかけるエネルギーを増やす必要があるので、語学については、継続することを中心に考え、中国語と英語にしぼり、手話は中断することにした。

中国語は、現在、HSK4級に合格したレベルである。HSK5級をめざすには、語彙を本格的に補強する必要があるが、それだけの時間を割くことは難しい。現在の中国語のレッスンを継続しながら、ここまでに学習した語彙、文法をスムーズに運用するための練習に注力したい。

英語も現在のレベルを維持するための実践的なヒアリング、リーディングと、スピーキングの基礎トレーニングを継続しようと思う。

趣味:移動する人々を追いかける、古典を読む

  • 移動する人々を追いかける
  • 古典を読む

これまで「大航海時代を追いかける」という目標を掲げてきたが、よく考えてみると、大航海時代に限らず「移動する人々」に興味があることに気がついた。例えば、華僑華人のネットワークや、沖縄からハワイへ移住した人々の歴史など。これは、これからも変わらず追い続けるテーマでありつづけるだろう。

今年も少しずつ古典、特に、政治哲学系のものを読んだ。その流れで、近現代の政治哲学の古典と、あと、やや西洋近代文学の古典にも手を広げてみたいと考えている。

柔軟に対応する

いま、自分にとって新しい段階の入口を入ったところだと感じている。状況の変化もあるだろうし、先の見通しができず試行錯誤をすることも多いだろう。あまり目標、計画に固執せず、柔軟に対応していきたい。

2021年の振り返り:シフトチェンジの年

年末になったので、恒例の振り返りをしようと思う。

今年の抱負と半年経過時点での振り返りへのリンクを張っておこう。

 

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総論:シフトチェンジの年

40歳代前半に不調の時期があり、それを契機として職業も生活も大きなシフトチェンジをした。そのシフトチェンジからは、比較的安定した時期を過ごしていて、毎年概ね抱負の通りに目標を計画的に実現できていた。仕事も順調だったし、プライベートも充実していたと思う。自分の能力や環境を客観的にみることができるようになり、抱負自体も現実的に達成可能なものを掲げていたということもある。

仕事が順調だったため、それに連れて責任が増してきた。これまで、自分の能力の範囲内で対応できていたが、今年に入ってキャパシティを超えてきて、仕事に対するアプローチの方法を変える必要性を感じている。もちろん、新型コロナ禍によって仕事のあり方、プライベートの生活のあり方も大きな影響を受け、新しい状況へ適応する必要もある。

さらに、来年55歳になる。今勤めている会社の定年が60歳、その後再雇用されるとして65歳までである。定年と定年後を見据えて40歳代前半以来のシフトチェンジの時期に入ったことを実感している。

ギフトのお返しをする

【年初の目標】

  • 自分の人生から得た「ギフト」をさまざまな場面でお返ししていく
  • 一緒に働いているメンバーが自分の「得意」を活かす環境づくりとアドバイスをする
  • 退職後を見据え、自分の「ギフト」をお返しする方法、ネットワークについて考え始める

半年経過時の振り返りにも書いているが、仕事上の責任が増し、職業と生活のバランスを、やや職業に重点を置くようにした。ただし、責任に見あった実力がある訳ではないので「一緒に働いているメンバーが自分の「得意」を活かす環境づくりとアドバイスをする」ことは思うようにはできなかった。しかし、継続して試行錯誤して、よりよい方法を見出し、自分のスキル・能力を高めていくしかないと思う。

今年、信頼している同僚が急逝した。彼女に最大限の「ギフト」を返しすることができていたか、とよく思い返す。客観的な意味で最大限の「ギフト」を返すことができたかどうかはわからないけれど、あらゆる瞬間で最大限の「ギフト」を返そうと思い続けること、実践し続けることこそが重要なのだと再確認した。

ルーティーンのキープと体調維持

【年初の目標】

  • 体調維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

今年の夏は新型コロナウイルスの予防接種の副反応が重かったこと、扁桃腺を切除した手術の以来喉の調子がよくなかったことがあり、体調が優れない時期があった。そのときも、ルーティーンのペースを落としながら、それなりのピッチングをすることはできたように思う。

以前は、悪い意味での「完璧主義」だった。今は良くも悪くも自分のできる範囲を見極めて、それをやりきることができるようになってきた。

仕事での挑戦

【年初の目標】

  • いっしょに仕事をしている人たちの話をしっかり聴く、そして「得意」を活かすことができる環境を作り、アドバイスをする
  • ペーパーレスを実現するためのサービスを立ち上げる

担当している部署の規模が大きくなり、自分としてメンバーから話を聴く時間の総量は増やしているが、メンバー一人あたりに費やす時間は大きく減ってしまっている。そのような環境のなか、限られた時間の質を高める必要がある。まだまだ工夫の余地は大きいと感じている。

また、ここ数年の経験で傾聴しようと意図したときに傾聴するというスキルは身についてきたように思う。しかし、組織全体の方向性とそのメンバー個人の方向性の調整がつかないことも多く、そういうとき、どのようにアプローチすればよいか悩み続けた。これについてはよい解は見つかっていない。

新型コロナ禍でリモートワーク主体となった結果、社内外の事務手続きをペーパーレス化する必要がある。これまでもペーパーレス化は進めていたが、ペーパーレス化することでむしろ手間がかかるという理由で進められなかった事務残されていた。しかし、現在の状況で、ペーパーレス化することには強いコンセンサスが得られので、合意形成は容易になり、テクニカルな側面でペーパーレス化を進めることができるようになった。その追い風もあり、計画通りにペーパーレス化は進めてきたことができた。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

【年初の目標】

  • ランニング:質の高い練習をして、1,500mで6分を切る、フルマラソンでサブ4を実現する基盤をつくる
  • ゴルフ:安定して100を切る基盤を作る
  • 動ける身体を維持する

ランニングのレースの多くは中止となった。練習は続けていたものの、夏に体調を崩したこともあって、去年と比較して練習量は減った。また、ハードな練習をしたときの回復力が落ちているような気もする。レースに出ていないので、いま全力を出したときどの程度走れるかわからないけれど、良くて現状維持、年齢とともに緩やかに走力が落ちているように感じている。

ゴルフは、練習は継続していたものの、新型コロナ禍のため10月までラウンドに出なかった。久しぶりにラウンドすると、やはり得られる情報量、学びが多い。9月までの練習を実地に試してフィードバックを得ているところ。アイアンは確実に進化していると感じているが、ドライバーが迷宮に入っている。ドライバーが好調期まで戻せれば、安定した100切も見えてくると思う。

体調の上下はあったものの、概ね動ける体は維持できた。

新しい方向性として、この夏と秋、夫婦でハイキングをした。今後、二人で楽しめるエクササイズとして、山を楽しむこともありそうだ。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

【年初の目標】

  • 中国語のレッスンとHSK5級受験の準備、中国語の本を読む
  • 英語のレッスンとTOEIC Speaking & Writing受験、英語の本を読む
  • 手話の学習継続とボランティアの実践

半年経過時点の振り返りでも書いたが、仕事の比重を高めるために、この分野はやや戦線縮小した。

中国語はHSK5級を目指すのではなく、いままで習得した語彙、文法をよりスムーズに運用できるような練習に重点を切り替えている。10月からレッスンを再開し、HelloTalkという相互学習アプリに日記を投稿して添削してもらっている。以前、相互学習サイトで英語を投稿していた時期があり、かなり効果があった。今の学習環境ではアウトプットが不足しがちなので、補っていきたい。

英語もまずは現状維持で、Podcastを継続的に聞きつつ、英語の本を一冊読むことができた。HelloTalkの日記を中英日の三か国語で書いている。Speakingの維持のために、「英語のハノン」という教則本で、シンプルな例文を反復する練習を始めたところ。効果のほどはわからないけれど、続けることに意味があると思う。

中断していた豊島区の手話講習会が再開したが、現在の仕事の状況を考えると継続的に通うことは難しい。自分の手話学習は一時中断継続中である。

文化の取り組み

  • (機会があれば)大航海時代と国際化された中華世界を追いかける

旅行はできないけれど、今年前半には私的な台湾シティポップミュージックブームがあり、また、いくつかお気に入りの中国関係のYouTube番組も見るようになった。

文化系という意味では、レコードプレイヤーを買い、LPレコードを買うようになったことが、自分のなかでは大きな変化だった。大きなサイズでジャケット見るのも楽しいし、レコードに針を落として聴く音楽は、サブスクリプションで聴くのと体験としては違っているように思う。あまり慌てずゆっくりとレコードを集めていこうと考えている。だから、ネットでレコードは買わず、中古レコード屋の店頭で買うことにしている。

家庭の取り組み

  • キッチンとダイニングのリノベーションの準備
  • 料理のバリエーションを増やす

キッチンとダイニングのリノベーションの準備は構想を話し合う段階。来年はまだ実行しないと思うけれど、2〜3年の間には確実に実行することになると思う。

今年は、IT機器の整備を進めた。家のネットワークをケーブルテレビからNTTの光回線に変更し、IPv6ルーターに取り替えた。今住んでいるマンションは、Nuroはつながっていないので、現状では最速になったはずで、時間帯にもよるが以前と比べれば2〜3倍のスピードが出ている。

その他、iPhoneを買い替え、Apple WatchiPad miniを買った。iPhoneの買い替えは、老眼対策で少しでも画面を大きくしたかったことが最大の理由である。Apple Watchは、決済が楽になったことが大きい。その他、ランニングウオッチとして、また、ゴルフのiPhoneのアプリと連携して使っている。iPad miniは老眼対策と、中国語の手書き入力に活用している。手書きの認識という意味では、漢字かな交じりの日本語より、漢字のみの中国語のほうが精度が高い。

このブログはPCで書いているけれど、最近プライベートではPCを使うことがほとんどなくなっている。もう、プライベート用のPCは買わないかもしれない。

半年の振り返りで書いたように、中華料理のバリエーションは増え、日常的に作るようになった。あと、コーヒーをおいしく淹れるための試行錯誤をしていた。コーヒーは、豆、器具、淹れ方によって味が変わる。変数が多い分、思うような味が出せるようになるまで時間がかかる。最近は、自分好みの豆と淹れ方の組み合わせはわかってきたように思う。

その上で固執しない

変化の多い一年だった。あまりこだわりすぎず、柔軟に目標を修正しながらやっていくことができたと思う。

明日は、来年の抱負を書こうと思うが、久しぶりに新しい考え方で目標を考える必要がありそうだ。

日本的小説と中国的小説

中国語のレッスンに行って、ちょっと興味深いことがあった。

教科書にちょっとした説話があった。以下のような話である。

老婆と子供がある食堂に入ってきた。老婆は自分は食事はしたからお前はご飯を食べなさいと言ってスープ入りご飯を一人前注文した。子供は老婆に本当に食事はしたんだね、と確認して食べ始めた。

それを見ていた食堂の主人は、今日百人目のお客様だからスープ入りご飯は無料ですよ、と言い、代金を取らなかった。

ある日、食堂の主人は、その子供が店の前にいるのを見つけた。どうやらその食堂に入っていく客の数を数えているようだ。主人は、今日は百人も客が来そうにないと思い、常連に電話を入れて、今日はおごりにするから店に来てくれと伝えた。

99人の客がやって来た後、その子供がお店に入ってきた。今度は、無料のスープ入りご飯をご飯を老婆に食べさせていた。

先生がこの続きはどうなるか、考えてみてと言った。自分の答えはこんなだった。

その子供が大きくなり、少しお金ができた。老婆を連れてその店にやって来た。三杯のスープ入りご飯を注文した。一杯は老婆、一杯は自分、そして、もう一杯は主人に奢り、三人で一緒に食べた。

先生は、日本の小説みたいだ、と言った。自分は、へえ、と思った。

先生によると中国の小説では、恩義には思いきり大きな返礼をするのだと。

自分は、もう一つの話を作ってみた。

その子供が大きくなり、商売に成功した。また、老婆を連れてそのお店にやってきた。そのお店にやってきたお客すべて奢った。その評判を聞き、常連たちが次々とやって来た。九十九人のお客が来た後、その子供は主人に無料のスープ入りご飯をください、と言った。

先生は、まだまだ日本の小説みたいだ、中国の小説はこんな風だよと言って、次の話をした。

食堂の主人は、ささやかな商売を細々と続けていた。ある日、店の向かいに工事が始まった。気がつくと、豪華な中華料理店が建設されている。ああ、こんな店ができたら、もうこの店はたたむしかないと思う。工事が完成したら、その子供が店にやってきた。さあ、あの向かいの店はあなたのものですよと。

なるほど。

こういう瞬間、語学を勉強することが面白いな、と思う。

 

 

感動的なコーヒーの味

最近、毎朝工夫をしながらコーヒーを淹れている。わが家の定番のコーヒーを求めているが、なかなかたどり着けない。

コーヒーを工夫するようになったきっかけは、感動的なほどおいしいコーヒーを飲んだことだ。それをなんとか再現したい。

以前、鎌倉三十三観音めぐりをしていた。そのころ、季節ごとに鎌倉を訪れていた。ある時、 お寺をめぐる前に、小町通りの奥にある café vivement dimancheというお店でコーヒーを飲み、これが感動的においしかった。特に、口の中にコーヒーの香りが残り、その日はコーヒーの香りを感じながら巡礼していた。

https://m.facebook.com/pages/category/Cafe/caf%C3%A9-vivement-dimanche-138167602895001/?locale2=ja_JP

サードウェーブコーヒーが登場して、コーヒーの品質のレベルも上がったし、味と香りのバラエティが広がって、自分好みの味を見つけられる可能性が高くなった。ポートランドに旅行した時訪れたスタンプタウンコーヒー(最近、京都に出店したそうなので行ってみたい)には感動して通ってしまったし、ブルーボトルコーヒーも、毎回ではないけれどはっとするような味のことがある。

https://www.stumptowncoffee.com/

https://bluebottlecoffee.com/

夏休みに行った白馬のSatoru coffeeで飲んだイルガチェフェ、それもアイスコーヒーが驚くほどおいしかった。また、Satoru coffeeで買ったイルガチェフェの豆と善光寺門前町にあるforget coffeeで買ったルワンダの豆をブレンドして淹れたコーヒーが絶妙だつた。

https://m.facebook.com/satorucoffee.hakuba/?locale2=ja_JP

https://foretcoffee.thebase.in/

YouTubeを検索するとコーヒーの情報が溢れかえっている。いろいろ観ながらコーヒーの淹れ方、豆の選び方を工夫している。(コーヒーを愛しすぎた男 岩崎泰三の動画が参考になった)それなりにおいしく淹れられるようにはなってきたけれど、感動的な味を再現するのは難しい。

https://youtube.com/channel/UCeINwQHFhHwXNZ4_nNBiIQg

まだまだコーヒーの旅は続きそうだ。

 

中国の日本語学習ブーム

緊急事態宣言が終わり、新型コロナの流行が治まっているので、中国語のレッスンを再開した。

国語学習に費やす時間とエネルギーをなかなか割けないので、隙間時間を活用しようと思い、HelloTalkというランゲージエクスチェンジアプリを始めた。

https://www.hellotalk.com/

以前、Lang8というランゲージエクスチェンジサイトで3年間英語のブログを書いていたことがあり、かなり効果があったし、いろんな人と知り合えて楽しかった。

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Lang-8.com

このときは、PCを開いてまとまった文章を書いていた。今回はスマホのアプリということもあり、2〜3行ぐらいの短い文章を、しかし、毎日ポストしている。どれだけ続けられるかわからないけれど、一年も継続できれば、かなり効果があるように思う。

中国語の作文を添削してくれる中国人の日本語学習者を見つけるのはわりと簡単だ。最近の中国では日本語学習ブームだというが、そのことを実感する。

ただ、彼らは20代、場合によっては10代なので、ジェネレーションギャップが大きい。添削はしてくれるものの50代の社畜(この言葉は中国でもそのまま通じる)の愚痴日記を楽しんで読んでくれているのだろうか?

 

 

チーオンが熱くなってきた

テラワーダ仏教の話を書いて思い出したことを書こうと思う。

大学の専攻は文化人類学だったが、その頃読んだ本の中でよく覚えているもののひとつに青木保「タイの僧院にて 」がある。

自宅の蔵書は、今ある本棚を溢れないようにしていて、定期的に整理して売っている。この本は、学生時代からの整理に生き残り今でも本棚に並べられている。

青木保は大先生だけれど、この本はまだ大先生になる前の若き青木保が「タイの僧院」で一時僧になったフィールドワークの記録である。

自分がテラワーダについて初めて知ったのはこの本はだったけれど、自分に限らずこの本を読めばテラワーダに共感すると思う。

この本のなかで印象に残っている言葉の一つに「チーオンが熱くなってきた」がある。「チーオン」とは僧衣のことで、出家者である僧侶が、自らが戒律を守れなくなってきたように感じたことを意味している。

タイのテラワーダの戒律は常識的で特別に厳しいものではない。それだからこそ出家者、僧侶は、戒律を厳密に守る。しかし、長年僧侶していると、その戒律を守ることが難しくなることもある。そのときは「チーオンが熱くなってきた」と言って還俗することで、戒律を守る。また、出家をすることもあるし、しない場合もある。

会社員生活も似ていると思う。会社生活は、一日も続かないほど厳しい訳ではない。しかし、長年続けていると「チーオンが熱くなる」ことがある。

そして、今また、チーオンが温まってきたという感覚がある。

テラワーダと大乗

仏教をテーマとしたPodcastを聴きながら、自分の仏教への考え方を書いてみたくなったので、久しぶりにブログを書いてみよう。

a scope ~リベラルアーツで世界を視る目が変わる~:Apple Podcast内の#13 実は極めて論理的。「仏教」の世界へようこそ(ゲスト:松波龍源さん)

このPodcastに話をしている松波流源というひとは真言宗の僧侶であるため「小乗仏教」という言葉を使っているが、最近は「テラワーダ」と呼ばれている流れの仏教に自分は共感している。もう少し正確に言うと、中村元先生が翻訳しているおそらくブッダその人の思想が伝わっている初期仏教の経典に共感している。

ブッダは厳しくて誰もが目を背けたくなる、しかし、真理といか言いようがないことを語っていると思う。

ブッダの教えの目的は、そのような厳しい真理を理論的になだけではなく、身体的、心理的にも腑に落ちる形で理解することである。

これは、極めて難しい。ブッダの教えは厳しすぎる真理であり、自分を含め多くの人は、理屈としてわかっても、自分の中に落とし込むことはできず、多くの人がブッダの教えを否定したり、ねじ曲げたりしてしまう。ほぼあらゆる人が一生涯のなかで悟りに至ることはできない。その意味では、実践的な意味では極めて救いのない教えに見える。

ただ、ブッダの生きていた時代、地域では、輪廻が信じられていた。だから、今この生で真理を理解できなくとも、長い輪廻を通じて悟りに到達すればいい。今この生では、次の生に向けて少しでも真理に近づければよい。それでこの生には意味があったことになる。

しかし、そんな仏教が輪廻の概念がない中国に持ち込まれると、本質的に変質する。輪廻の概念がなければ、仏教は本当に救いのない宗教になってしまうし、大多数の人にとってこの生は苦しみに満ちているだけで、意味のあるものではなくなってしまう。

このため、ブッダの教えをねじ曲げて、救いがあるかのような教えを付け加える。ブッダ以外にもをさまざまな仏がおり、これらの仏が人々を救ってくれるという教えを付け加えた「大乗仏教」が生まれる。

しかし、ブッダ本人は真理の教えを説いたけれど、その真理の教えを理解することはそれぞれの人が自ら掴むしかないと考えていた。それを、仏という他者が救ってくれるという考え方を導入したことで、「大乗仏教」はもはやブッダと教え「仏教」とは言えないと思う。

親鸞は典型的で、自力で悟りを得ることを目指したが、真剣に修行を突き詰めれば突き詰めるほどその困難さに気づき、修行に挫折して、阿弥陀仏に帰依する。
しかし、である。輪廻を信じない社会では、ブッダの教えは救いがない。だからといって、ブッダの教えそのものの真実性は揺るがないように思える。だから、阿弥陀仏のように、もともとのブッダの教えになかった、人々を救う存在を導入するのはご都合主義に見える。

テラワーダの出家者、僧侶は、自らの悟りを目指すもので、在家の人々を悟りに導くわけではない。大乗仏教の僧侶は、在家の人々を救うことを目指している。これは、ブッダが不可能と言っていたことをできると思い上がって考えているのではないか。
今の日本仏教のあり方は、ブッダの教えからは大きく離れている。仏教をブッダの教えという意味にとらえるならば、もはや仏教ではない別の宗教であるし、別の名前を名乗った方がよい。また、日本仏教の堕落の本質的な原因は、そもそもありえないはずの「他力」の概念の導入にあると思っている。

素朴な疑問だが、ブッダは極端な修行は悟りに結びつかないと明確に否定しているのに、真言宗では激しい修行をする。なぜ、ブッダの教えにあきらかに反していることをしているのだろうか?