新しいピッチャーの分業制 稲葉GL、新庄ビッグボスの野球への期待

日本ハムが稲葉GL、新庄「ビッグボス」監督体制になりさまざまな新しい試みをしていて、今シーズンどうなっていくのか追いかけたいという気持ちにさせられている。

ここ10年ぐらい、セイバーメトリクスの導入によって、これまで慣習的に行われいた戦術の検証が進み、取捨選択されるようになってきた。個人的にも疑問に思う戦術がいろいろあったので、それが実証的に棄却されることで得心がいったことが多い。

代表的なところでは打順がある。古典的な考え方としては、出塁率が高く足が速い選手を一番に置き、二番にはバントがうまいつなぎの選手、三番は打率が高い中距離バッター、四番が長打力がある最強打者、五番は勝負強いバッター。

しかし、シンプルに考えれば、打順が早いバッターほど多くの打席数が回ってくるので、打てる順に並べるのが良いように思う。初回以外は一番バッターが先頭打者になるとは限らないし、一番バッターが先頭打者として出塁しなければ、二番につなぎの選手を置く意味がない。

実際にはシミュレーションにより二番に最強打者を置くのが望ましいという研究結果が出ており、この打順の考え方はMLBを中心としてかなり定着してきた。

しかし、投手起用については、打順ほどには検証されていないように見える。セイバーメトリクス以前から、先発投手が100球投げ、そこからはリリーフ投手が繋ぎ、勝てそうな試合では最強のリリーフ投手がクローザーとして起用されるという方法である。これは理想的な投手起用法なのだろうか。

シンプルに考えれば、投手は二巡目に入ると打たれやすくなるので、一巡したら継投するのが良いのではないか。先発とリリーフの区別なく、1試合4〜5人の投手で継投する。より勝つ確率が高まった状態で能力の高いピッチャーを使いたいと考えれば終盤に能力の高いピッチャーを配置するという考え方もあるし、逆に早い段階で点差がついてしまうと後半で逆転することが難しくなるので、前半に能力の高いピッチャーを使うという考え方もあるだろう。このあたりはシミュレーションによる研究を見てみたい。

ここ数シーズン、先発投手をリリーフと別枠で扱わないスターターという起用法が見られるようになった。まだ最適化まで至っていないように見える。

日本ハムの開幕2戦の投手起用を見ていると、まさに打者一巡で交代させている。弱者の戦略で、既成概念にこだわらない起用法を試してくれそうで、大いに期待している。

ニッカン式スコア ソフトバンク対日本ハム - プロ野球 : 日刊スポーツ

スターターを始めたのは、タンパベイ・レイズである。「マネー・ボール」で限られた予算のなかでセイバーメトリクスを活用するチームとしてオークランド・アスレチックスが有名になったが、現在、このタイプのチームとしてはタンパベイ・レイズが最先端だろう。日本ハムも限られた予算で、しかし、斬新な戦術、戦法を試していくチームとなってほしい。

 

 

帝国と国民国家の戦い

在宅勤務では、会議ではなく作業をしている時は、何か音を流していることが多い。以前は、音楽を聴いていることが多かったが、最近はPodcastを聴く機会が増えてきた。

いくつか気に入っているPodcastができた。そのうちの一つが「COTEN RADIO コテンラジオ オフィシャルサイト」である。このPodcastでは、歴史の専門の研究者ではないが、歴史に強い関心を持っている人が、歴史の特定のテーマについて掘り下げた話をしている。掘り下げ方が相当深いこと、また、この人の歴史観が自分と近いことがあり、興味深く聴いている。

そのなかで、第一次世界大戦をテーマとしたシリーズがある。なぜ第一次世界大戦のような凄惨な総力戦が発生したのかを説明するために、フランス革命ナポレオン戦争から説き起こしている。そこでの説明が以前より自分が考えていたことと一致したので、blogに書いてみようと思った。

 

フランス革命絶対王政が打倒され国民国家が成立した。

国民国家以前は、皇帝や王が国を支配していた。その国に住む人たちは、皇帝や王の支配の対象であるが、その国に主体的に参加している訳ではなかった。国同士の戦争はあったが、それはあくまでも皇帝や王の間での戦争であって、極論するとその国に住む人たちには関係なかった。ある国が負けても、その国に住む人たちから見れば統治者である皇帝や王が入れ替わるだけのことだった。戦争に参加するのは皇帝や王に忠誠を誓う人たちや傭兵で、戦争の規模も皇帝や王の権力の範囲内にとどまっていた。

一方、国民国家では、その国に住む人たちが国民として国に参加し、支配している。戦争は国民自身の戦争になるので、国を挙げての総力戦になる。フランス革命を経て発生したナポレオン戦争では、フランス軍は強かった。それは、フランスは国民国家になったため、士気の高い国民から構成される軍隊を持っていたからだった。

ヨーロッパ諸国の支配者たちは、自らの国の体制が革命で打倒されることを警戒しつつも、今までと同じ体制では国民国家となったフランスに対抗できないと考え、国民国家化が進む。

 

明治維新は、国民国家化が進んだヨーロッパ諸国と対抗するため、日本を国民国家とする試みだったと考えている。

江戸時代、戦争には武士のみが参加し、そのほかの人々にとっては主体的に関わるものではなかった。実際、武士のなかには、武士以外の人たちがヨーロッパ諸国の軍隊に協力するのではないかという不安があったという。これはまさしく日本が国民国家以前の状態だったからだ。

明治維新によって江戸時代の身分制度が解体され、国会を開設し国民の政治参加を進めたのはまさに国民国家を形成するためのものだった。西南戦争で士族の反乱を一般の「国民」によって形成された軍隊で鎮圧したことが象徴的である。その後の日清戦争日露戦争も、国民国家対帝国の戦争で、清、ロシアともに国全体からリソースを調達することはできなかった。

 

ウクライナ侵攻では、事前の想定と比較するとロシアが圧倒的に苦戦していると言われている。この戦争は国民国家であるウクライナと実質的に「皇帝」であるプーチンの戦いで、国民国家と帝国の違いがここまでの戦況をもたらす大きな要因なのだろう。海外の新聞を読むと"Putin's invasion"という表現を使っていることがあるが、これはまさに「皇帝」プーチンの戦争であり、ロシア国民の戦争ではないことを表現している。

日清戦争から第二次世界大戦終結までの期間、日本は中国へ侵略をし続けた。清朝時代は国民意識はなかった。辛亥革命以降、国民党(党名を見よ)を中心として国民意識を根付かせるための努力を行なわれていたが、なかなか国民意識は高まらなかった。皮肉なことに、日本の侵略によって反日という形で中国内に国民意識が形成されるようになっていった。

ウクライナも東部と西部で分裂しているという指摘もあったが、ウクライナ侵攻によって国民に式が確固としたものになったように見える。もちろん、国民意識だけで戦争に勝てる訳ではないので、今回の戦争の帰趨はわからない。

日本の周辺には中国をはじめとして「反日」を契機として国民意識が成立した国がある。今回の戦争がどのような結果になるとしても、ウクライナに「反ロシア」を契機とした強烈な国民意識が成立したことは間違いない。

 

最後にゼレンスキー大統領がアメリカ議会での演説の時、9.11と真珠湾攻撃を並列したことについて書いてみたい。

日本ではこのことを面白く思っていない人がいることは知っているし、その心情はわかる。ただ、客観的な認識として、国際的に真珠湾攻撃がどのように捉えられているかを知ることも重要だと思う。

日本以外の地域では、真珠湾攻撃全体主義国家の自由主義国家への攻撃と捉えられている。そして、第二次世界大戦後は日本は(西)ドイツと並んで全体主義国家から自由主義国家に転換したと。

ゼレンスキー大統領はそれぞれの国ごとに演説の内容を変えている。アメリカでは外敵から本土が直接攻撃されたのは911真珠湾攻撃の二回しかない。だから、自国への侵略について共感を得ようとしたゼレンスキー大統領がこの二つを並列するのは自然なことで、日本以外の国際社会で疑問に感じる人はいないだろう。

ハイテクハーフマラソン2022に参加した

ハイテクハーフマラソンに参加した。

ネットタイムが1時間58分53秒で、目標が2時間切りだったから目標達成できてよかったけれど、本当に辛かった。

ハイテクハーフマラソンは、荒川の河川敷がコースになっている。正直単調だけど、アップダウンが少なく、スタートの渋滞もほどほどで、タイムが狙いやすいレースだ。いつも強風に悩まされるのだが、今日は風もなく、寒からず暑からじの天候で、絶好のコンディションだった。富士山がきれいに見えた。このレースとコンディションに助けられての2時間切りである。

レース前は不安がいっぱいでかなり緊張した。レースが久しぶりということもあったし、最近あまり練習ができていなかった。だいたい月に50kmぐらいしか走れていなかった。また、先月、長い距離も走っておこうと21kmのLSDをやってみたが、足が痛くなり、19km弱で途中リタイアした。レース前のダメージを避けたということもある。あと、腰に違和感があり、身体の調子も絶好調とは思なかった。ただ、身体のコンディションは、走ってみないとわからない。

今回のレース計画は、キロ5分35秒〜40秒のペースを維持することだった。キロ5分40秒平均でいけば2時間は切れるから、それより少し速いペースをキープすれば、オーバーペースにもならず、少しづつタイムを貯金できるイメージ。
10kmだと、調子がいいときは50分が切れる。つまり、キロ4分台のペースになる。それを考えると、キロ5分40秒は難しくないような気もするが、毎回17km過ぎから足が痛くなって失速する。
今回はその失速を最小限にするのがテーマだった。スプリットタイムを見ると、最初の1kmは別とすると、16kmまではキロ5分30秒台のタイムが並んでいて、かなりうまくペースを作れたことがわかる。しかし、それでも17km過ぎからは右膝が痛くなり、本当に苦行だった。なんとかキロ5分40秒前半で粘れてゴールできた。

最後の4kmはとにかく辛くて、なぜこの辛さに耐えなければならないのか、ずっと自問自答していた。歩いたって完走できるし、ここでがんばれば、却って身体にダメージがあって健康にも悪い。そして、辛い。

走り終わると次のレースに出たくなるという話もあるが、あまりに辛かったので、正直今後タイムを求めてハーフマラソンに出るかかなり迷っている、というか否定的な気分。身体と心の健康のためには、風光明媚なレースに出て、完走できれば良いのではないかと。
10,000m以下の距離のレースの方が適正もあるし、楽しいのではないかと。

もちろん、これだけ緊張して、自分を追い込む機会はなかなかないから、一年に一回ぐらい挑戦する意味はあるのだけれども。

レースが終わって駅まで歩く道すがら、よちよち、というか、よろよろ歩いていたら、周りの人たちも同じだった。

2022年の抱負:職業の仕上げを見据えたシフトチェンジの年

恒例となった来年の抱負を書こうと思う。

以下は、昨日まとめた今年一年の振り返りである。これを基礎として、抱負を考えていきたい。

yagian.hatenablog.com

総論:職業の仕上げを見据えたシフトチェンジの年

振り返りにも書いたが、いま勤めている会社の定年まであと5年となった。その後は、希望すれば5年間、シニアとして雇用は継続されるが立場は変わる。

現在、来年10月に向けて、新しい組織の設計、検討が進められている。おそらく、定年までの5年間は、その新組織に関わっていくことになるだろう。その意味で、この組織の形が決まる来年9月までの期間で、自分の職業生活の仕上げのあり様見えてくる。また、よりよい仕上げをするには、この新しい組織の設計、検討によい形で貢献することが重要だ。

また、新型コロナ禍をきっかけとして、生活、職業の両面で大きな変化があった。また、この新型コロナ禍が収束した後、もう一段階の変化があるだろう。定年後の生活はまさにこの新型コロナ収束後の世界で過ごすことになる。

来年は、この二つの変化に適応していくための基盤づくり、シフトチェンジの一年になると考えている。

生活:ルーティーンのキープと体調維持

  • 体調維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

この目標はここ数年不変のものである。

どのように環境が変化しても、心身の調子の維持が最重要であるし、そのためには適切なルーティーンのキープが効果的だ。もちろん、そのルーティーンも継続して改善していくこと。

今年の夏には体調を崩したし、また、回復力も徐々に落ちているように感じている。現在の体調に見あったルーティーンを無理せず守っていきたい。

職業:定年前の最後のミッションに向けた組織づくり、環境づくり

  • 10月以降の新組織の立ち上げ
  • 継続したリモートワークを中心とした業務の基盤整備

現在、10月以降の新組織の立ち上げ、リモートワークを中心とした業務の基盤整備(システム開発とそれを支える業務のあり方、体制の整備)に関わっている。これらを今後5年間を見据えてよりよいものにすることが、会社に対する貢献でもあり、自分の定年前の最後のミッションの成否に関わってくる。しっかり取り組んでいきたい。

生活:定年後の生活のイメージ作りとインフラの整備

  • 定年後の生活のイメージ作り
  • 生活のインフラ整備計画づくり

今年、料理のバリエーションを増やしてきた。これまでも、これに限らず徐々に家庭内でできることを増やしてきた。また、好きなことを中心として、なるべくシンプルで機能的な生活スタイルを実現するため、ムダなことを減らしてきた。そういう営みを続けることで、少しずつ定年後の生活のイメージの輪郭が見えてきている。来年も、そうした方向に進んでいきたい。

また、今住んでいるマンションも築25年となり、少しずつリノベーションを進めてきた。機能的な生活の基盤として、特に、キッチンのリノベーションが重要になる。来年はその方向性の検討を進めていきたい。

フィジカル:継続すること

  • 動ける身体を維持する
  • ランニング:ハーフマラソンを完走できるコンディションを維持する
  • ゴルフ:安定して100を切る基盤を作る
  • ハイキング:ハイキングを楽しむ

フィジカル面での最大の目的は、動ける身体を維持することである。これまでは、身体能力の向上を目指していたが、むしろ年齢なりのコンディショニングを主体に考えていこうと思っている。

ハーフマラソンの大会の一般的な制限時間は2時間30分だが、この制限時間内で走り切る走力をどれだけ長く維持できるかを考えて練習をしていこうと思う。

ゴルフについては、目標は今年のものを継続。さすがに今の状態を維持するのではなく、まだあと一歩向上の余地があると考えている。その可能性を追求したい。

以前、ランニングの延長で、トレイルランニングの大会に参加したことがあった。ロードより自然のなかを走るのは楽しかったが、危険性も高いと考え、結局断念することにした。今年、家族で何回かハイキングをしたが、これはこれで楽しく、来年はもう少し本格的に取り組みたいと考えている。

語学:継続すること

  • 中国語:これまで学んだ中国語の運用能力の向上
  • 英語:トレーニングの継続

来年は職業にかけるエネルギーを増やす必要があるので、語学については、継続することを中心に考え、中国語と英語にしぼり、手話は中断することにした。

中国語は、現在、HSK4級に合格したレベルである。HSK5級をめざすには、語彙を本格的に補強する必要があるが、それだけの時間を割くことは難しい。現在の中国語のレッスンを継続しながら、ここまでに学習した語彙、文法をスムーズに運用するための練習に注力したい。

英語も現在のレベルを維持するための実践的なヒアリング、リーディングと、スピーキングの基礎トレーニングを継続しようと思う。

趣味:移動する人々を追いかける、古典を読む

  • 移動する人々を追いかける
  • 古典を読む

これまで「大航海時代を追いかける」という目標を掲げてきたが、よく考えてみると、大航海時代に限らず「移動する人々」に興味があることに気がついた。例えば、華僑華人のネットワークや、沖縄からハワイへ移住した人々の歴史など。これは、これからも変わらず追い続けるテーマでありつづけるだろう。

今年も少しずつ古典、特に、政治哲学系のものを読んだ。その流れで、近現代の政治哲学の古典と、あと、やや西洋近代文学の古典にも手を広げてみたいと考えている。

柔軟に対応する

いま、自分にとって新しい段階の入口を入ったところだと感じている。状況の変化もあるだろうし、先の見通しができず試行錯誤をすることも多いだろう。あまり目標、計画に固執せず、柔軟に対応していきたい。

2021年の振り返り:シフトチェンジの年

年末になったので、恒例の振り返りをしようと思う。

今年の抱負と半年経過時点での振り返りへのリンクを張っておこう。

 

yagian.hatenablog.com

 

yagian.hatenablog.com

総論:シフトチェンジの年

40歳代前半に不調の時期があり、それを契機として職業も生活も大きなシフトチェンジをした。そのシフトチェンジからは、比較的安定した時期を過ごしていて、毎年概ね抱負の通りに目標を計画的に実現できていた。仕事も順調だったし、プライベートも充実していたと思う。自分の能力や環境を客観的にみることができるようになり、抱負自体も現実的に達成可能なものを掲げていたということもある。

仕事が順調だったため、それに連れて責任が増してきた。これまで、自分の能力の範囲内で対応できていたが、今年に入ってキャパシティを超えてきて、仕事に対するアプローチの方法を変える必要性を感じている。もちろん、新型コロナ禍によって仕事のあり方、プライベートの生活のあり方も大きな影響を受け、新しい状況へ適応する必要もある。

さらに、来年55歳になる。今勤めている会社の定年が60歳、その後再雇用されるとして65歳までである。定年と定年後を見据えて40歳代前半以来のシフトチェンジの時期に入ったことを実感している。

ギフトのお返しをする

【年初の目標】

  • 自分の人生から得た「ギフト」をさまざまな場面でお返ししていく
  • 一緒に働いているメンバーが自分の「得意」を活かす環境づくりとアドバイスをする
  • 退職後を見据え、自分の「ギフト」をお返しする方法、ネットワークについて考え始める

半年経過時の振り返りにも書いているが、仕事上の責任が増し、職業と生活のバランスを、やや職業に重点を置くようにした。ただし、責任に見あった実力がある訳ではないので「一緒に働いているメンバーが自分の「得意」を活かす環境づくりとアドバイスをする」ことは思うようにはできなかった。しかし、継続して試行錯誤して、よりよい方法を見出し、自分のスキル・能力を高めていくしかないと思う。

今年、信頼している同僚が急逝した。彼女に最大限の「ギフト」を返しすることができていたか、とよく思い返す。客観的な意味で最大限の「ギフト」を返すことができたかどうかはわからないけれど、あらゆる瞬間で最大限の「ギフト」を返そうと思い続けること、実践し続けることこそが重要なのだと再確認した。

ルーティーンのキープと体調維持

【年初の目標】

  • 体調維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

今年の夏は新型コロナウイルスの予防接種の副反応が重かったこと、扁桃腺を切除した手術の以来喉の調子がよくなかったことがあり、体調が優れない時期があった。そのときも、ルーティーンのペースを落としながら、それなりのピッチングをすることはできたように思う。

以前は、悪い意味での「完璧主義」だった。今は良くも悪くも自分のできる範囲を見極めて、それをやりきることができるようになってきた。

仕事での挑戦

【年初の目標】

  • いっしょに仕事をしている人たちの話をしっかり聴く、そして「得意」を活かすことができる環境を作り、アドバイスをする
  • ペーパーレスを実現するためのサービスを立ち上げる

担当している部署の規模が大きくなり、自分としてメンバーから話を聴く時間の総量は増やしているが、メンバー一人あたりに費やす時間は大きく減ってしまっている。そのような環境のなか、限られた時間の質を高める必要がある。まだまだ工夫の余地は大きいと感じている。

また、ここ数年の経験で傾聴しようと意図したときに傾聴するというスキルは身についてきたように思う。しかし、組織全体の方向性とそのメンバー個人の方向性の調整がつかないことも多く、そういうとき、どのようにアプローチすればよいか悩み続けた。これについてはよい解は見つかっていない。

新型コロナ禍でリモートワーク主体となった結果、社内外の事務手続きをペーパーレス化する必要がある。これまでもペーパーレス化は進めていたが、ペーパーレス化することでむしろ手間がかかるという理由で進められなかった事務残されていた。しかし、現在の状況で、ペーパーレス化することには強いコンセンサスが得られので、合意形成は容易になり、テクニカルな側面でペーパーレス化を進めることができるようになった。その追い風もあり、計画通りにペーパーレス化は進めてきたことができた。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

【年初の目標】

  • ランニング:質の高い練習をして、1,500mで6分を切る、フルマラソンでサブ4を実現する基盤をつくる
  • ゴルフ:安定して100を切る基盤を作る
  • 動ける身体を維持する

ランニングのレースの多くは中止となった。練習は続けていたものの、夏に体調を崩したこともあって、去年と比較して練習量は減った。また、ハードな練習をしたときの回復力が落ちているような気もする。レースに出ていないので、いま全力を出したときどの程度走れるかわからないけれど、良くて現状維持、年齢とともに緩やかに走力が落ちているように感じている。

ゴルフは、練習は継続していたものの、新型コロナ禍のため10月までラウンドに出なかった。久しぶりにラウンドすると、やはり得られる情報量、学びが多い。9月までの練習を実地に試してフィードバックを得ているところ。アイアンは確実に進化していると感じているが、ドライバーが迷宮に入っている。ドライバーが好調期まで戻せれば、安定した100切も見えてくると思う。

体調の上下はあったものの、概ね動ける体は維持できた。

新しい方向性として、この夏と秋、夫婦でハイキングをした。今後、二人で楽しめるエクササイズとして、山を楽しむこともありそうだ。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

【年初の目標】

  • 中国語のレッスンとHSK5級受験の準備、中国語の本を読む
  • 英語のレッスンとTOEIC Speaking & Writing受験、英語の本を読む
  • 手話の学習継続とボランティアの実践

半年経過時点の振り返りでも書いたが、仕事の比重を高めるために、この分野はやや戦線縮小した。

中国語はHSK5級を目指すのではなく、いままで習得した語彙、文法をよりスムーズに運用できるような練習に重点を切り替えている。10月からレッスンを再開し、HelloTalkという相互学習アプリに日記を投稿して添削してもらっている。以前、相互学習サイトで英語を投稿していた時期があり、かなり効果があった。今の学習環境ではアウトプットが不足しがちなので、補っていきたい。

英語もまずは現状維持で、Podcastを継続的に聞きつつ、英語の本を一冊読むことができた。HelloTalkの日記を中英日の三か国語で書いている。Speakingの維持のために、「英語のハノン」という教則本で、シンプルな例文を反復する練習を始めたところ。効果のほどはわからないけれど、続けることに意味があると思う。

中断していた豊島区の手話講習会が再開したが、現在の仕事の状況を考えると継続的に通うことは難しい。自分の手話学習は一時中断継続中である。

文化の取り組み

  • (機会があれば)大航海時代と国際化された中華世界を追いかける

旅行はできないけれど、今年前半には私的な台湾シティポップミュージックブームがあり、また、いくつかお気に入りの中国関係のYouTube番組も見るようになった。

文化系という意味では、レコードプレイヤーを買い、LPレコードを買うようになったことが、自分のなかでは大きな変化だった。大きなサイズでジャケット見るのも楽しいし、レコードに針を落として聴く音楽は、サブスクリプションで聴くのと体験としては違っているように思う。あまり慌てずゆっくりとレコードを集めていこうと考えている。だから、ネットでレコードは買わず、中古レコード屋の店頭で買うことにしている。

家庭の取り組み

  • キッチンとダイニングのリノベーションの準備
  • 料理のバリエーションを増やす

キッチンとダイニングのリノベーションの準備は構想を話し合う段階。来年はまだ実行しないと思うけれど、2〜3年の間には確実に実行することになると思う。

今年は、IT機器の整備を進めた。家のネットワークをケーブルテレビからNTTの光回線に変更し、IPv6ルーターに取り替えた。今住んでいるマンションは、Nuroはつながっていないので、現状では最速になったはずで、時間帯にもよるが以前と比べれば2〜3倍のスピードが出ている。

その他、iPhoneを買い替え、Apple WatchiPad miniを買った。iPhoneの買い替えは、老眼対策で少しでも画面を大きくしたかったことが最大の理由である。Apple Watchは、決済が楽になったことが大きい。その他、ランニングウオッチとして、また、ゴルフのiPhoneのアプリと連携して使っている。iPad miniは老眼対策と、中国語の手書き入力に活用している。手書きの認識という意味では、漢字かな交じりの日本語より、漢字のみの中国語のほうが精度が高い。

このブログはPCで書いているけれど、最近プライベートではPCを使うことがほとんどなくなっている。もう、プライベート用のPCは買わないかもしれない。

半年の振り返りで書いたように、中華料理のバリエーションは増え、日常的に作るようになった。あと、コーヒーをおいしく淹れるための試行錯誤をしていた。コーヒーは、豆、器具、淹れ方によって味が変わる。変数が多い分、思うような味が出せるようになるまで時間がかかる。最近は、自分好みの豆と淹れ方の組み合わせはわかってきたように思う。

その上で固執しない

変化の多い一年だった。あまりこだわりすぎず、柔軟に目標を修正しながらやっていくことができたと思う。

明日は、来年の抱負を書こうと思うが、久しぶりに新しい考え方で目標を考える必要がありそうだ。

日本的小説と中国的小説

中国語のレッスンに行って、ちょっと興味深いことがあった。

教科書にちょっとした説話があった。以下のような話である。

老婆と子供がある食堂に入ってきた。老婆は自分は食事はしたからお前はご飯を食べなさいと言ってスープ入りご飯を一人前注文した。子供は老婆に本当に食事はしたんだね、と確認して食べ始めた。

それを見ていた食堂の主人は、今日百人目のお客様だからスープ入りご飯は無料ですよ、と言い、代金を取らなかった。

ある日、食堂の主人は、その子供が店の前にいるのを見つけた。どうやらその食堂に入っていく客の数を数えているようだ。主人は、今日は百人も客が来そうにないと思い、常連に電話を入れて、今日はおごりにするから店に来てくれと伝えた。

99人の客がやって来た後、その子供がお店に入ってきた。今度は、無料のスープ入りご飯をご飯を老婆に食べさせていた。

先生がこの続きはどうなるか、考えてみてと言った。自分の答えはこんなだった。

その子供が大きくなり、少しお金ができた。老婆を連れてその店にやって来た。三杯のスープ入りご飯を注文した。一杯は老婆、一杯は自分、そして、もう一杯は主人に奢り、三人で一緒に食べた。

先生は、日本の小説みたいだ、と言った。自分は、へえ、と思った。

先生によると中国の小説では、恩義には思いきり大きな返礼をするのだと。

自分は、もう一つの話を作ってみた。

その子供が大きくなり、商売に成功した。また、老婆を連れてそのお店にやってきた。そのお店にやってきたお客すべて奢った。その評判を聞き、常連たちが次々とやって来た。九十九人のお客が来た後、その子供は主人に無料のスープ入りご飯をください、と言った。

先生は、まだまだ日本の小説みたいだ、中国の小説はこんな風だよと言って、次の話をした。

食堂の主人は、ささやかな商売を細々と続けていた。ある日、店の向かいに工事が始まった。気がつくと、豪華な中華料理店が建設されている。ああ、こんな店ができたら、もうこの店はたたむしかないと思う。工事が完成したら、その子供が店にやってきた。さあ、あの向かいの店はあなたのものですよと。

なるほど。

こういう瞬間、語学を勉強することが面白いな、と思う。

 

 

感動的なコーヒーの味

最近、毎朝工夫をしながらコーヒーを淹れている。わが家の定番のコーヒーを求めているが、なかなかたどり着けない。

コーヒーを工夫するようになったきっかけは、感動的なほどおいしいコーヒーを飲んだことだ。それをなんとか再現したい。

以前、鎌倉三十三観音めぐりをしていた。そのころ、季節ごとに鎌倉を訪れていた。ある時、 お寺をめぐる前に、小町通りの奥にある café vivement dimancheというお店でコーヒーを飲み、これが感動的においしかった。特に、口の中にコーヒーの香りが残り、その日はコーヒーの香りを感じながら巡礼していた。

https://m.facebook.com/pages/category/Cafe/caf%C3%A9-vivement-dimanche-138167602895001/?locale2=ja_JP

サードウェーブコーヒーが登場して、コーヒーの品質のレベルも上がったし、味と香りのバラエティが広がって、自分好みの味を見つけられる可能性が高くなった。ポートランドに旅行した時訪れたスタンプタウンコーヒー(最近、京都に出店したそうなので行ってみたい)には感動して通ってしまったし、ブルーボトルコーヒーも、毎回ではないけれどはっとするような味のことがある。

https://www.stumptowncoffee.com/

https://bluebottlecoffee.com/

夏休みに行った白馬のSatoru coffeeで飲んだイルガチェフェ、それもアイスコーヒーが驚くほどおいしかった。また、Satoru coffeeで買ったイルガチェフェの豆と善光寺門前町にあるforget coffeeで買ったルワンダの豆をブレンドして淹れたコーヒーが絶妙だつた。

https://m.facebook.com/satorucoffee.hakuba/?locale2=ja_JP

https://foretcoffee.thebase.in/

YouTubeを検索するとコーヒーの情報が溢れかえっている。いろいろ観ながらコーヒーの淹れ方、豆の選び方を工夫している。(コーヒーを愛しすぎた男 岩崎泰三の動画が参考になった)それなりにおいしく淹れられるようにはなってきたけれど、感動的な味を再現するのは難しい。

https://youtube.com/channel/UCeINwQHFhHwXNZ4_nNBiIQg

まだまだコーヒーの旅は続きそうだ。